川崎区・幸区 社会
公開日:2020.06.19
レトロ電話、コロナ禍の副産物
幸区大野さんの収集品明治から昭和まで約50台
幸区北加瀬の大野勝彦さん(79)が、経営するパソコン教室とはきもの店に明治時代から昭和40年代ごろまでのレトロな電話機約50台を陳列し公開している。
大野さんは元NTT社員。1964年に電電公社(現NTT)に入社して3年目の時、先輩社員にすすめられて古い電話機を収集するようになった。当時、秋葉原に壊れた電話機などを取り扱う産廃業者があり、技術職だった大野さんや先輩はその業者から電話の修理を頼まれ、報酬として気に入った電話機をもらって帰っていた。大野さんが出会ったのが、「2号共電式壁掛電話機」。1909年(明治42年)に造られた共電式初の国産電話機で一瞬にして魅了されたという。その後も1927年(昭和2年)製の2号自動式卓上電話機、壁掛電話機などを手に入れた。
大野さんは「ただ古いだけじゃダメ。使えなきゃ意味がないんだよ」と言う。25年前、現役だった大野さんはインターネット普及のため市内の小学校を回っていた。母校の日吉小学校では沖縄の小学校とTV電話をつなぐデモンストレーションを行った。その時、小学生を楽しまそうと持っていった2号自動式卓上電話機で沖縄に電話をかけてつながると、小学生からは驚きの声があがり、拍手喝さいだったと当時を懐かしむ。壊れた古いものを修理して使えるようにするのが技術者としての醍醐味だとも。
PC教室に展示
大野さんの電話機収集は42歳の時に技術職から営業職に変わったのを機にストップ。自宅倉庫の奥にしまい込み、実はつい最近までその存在すら忘れていた。コロナ禍で自宅の整理をする中、倉庫の奥から電話機を発見。懐かしく思い、何気なくはきもの店のショーケースに下駄や雪駄と並べて置いていたところ、興味を持つお客さんがいた。それならばいっそきちんと見てもらおうと隣のパソコン教室に棚を作り、ディスプレイした。
◆ ◆ ◆
大野さんは約10年前からホタルの飼育もしている。本来ならこの時期は毎年恒例のホタルの鑑賞会を開く予定だった。今年は新型コロナウイルス感染防止のため、やむなく中止にしたが、今から来年に向け、ホタルの世話にも余念がない。「ホタルの世話と電話機の整備で毎日大忙しだよ」と笑顔を見せる。「どちらにも興味のある人は気軽に声かけて」と大野さん。
問い合わせは【携帯電話】090・7802・5931(大野さん)
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