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どん底から這い上がる 松谷秀幸選手(S級1班 38歳)
プロ野球選手から転身した異色の選手だ。本格派投手としてヤクルトスワローズに入団し、6年プレーしたが、何度もひじのケガに泣かされた。やがて戦力外となり、サラリーマン生活を始める。ある日、通勤途中で競輪学校の生徒募集のポスターを目にして心がざわめいた。「まだ、何かできるんじゃないか」。妻や義父の後押しもあり、挑戦を決めた。
野村弘樹氏(元横浜ベイスターズ)のつてで57期の佐々木龍也氏の門を叩いた。試験まで2カ月。千葉で仕事を終えてから毎晩、川崎の佐々木氏の下に通い、練習を積み、合格を勝ち取った。
プロ野球ではどん底を味わっただけに、競輪では不完全燃焼では終わりたくない。この世界で妻や子どもを養っていく――。そんな一心で走り続ける。体のケアには人一倍気を使うのもその表れだ。
一昨年、腰を手術。昨年は一年間戦えるか不安があったが、落車することはなく、復調の手応えを感じた。全日本選抜には「地元開催だけに最高のパフォーマンスを見せたい」と力を込める。「最後まで諦めない走りをみせて決勝レースに残りたい」と静かに闘志を燃やす。
川崎競輪(松谷秀幸選手)
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4月19日
4月12日