港南区・栄区 文化
公開日:2025.12.25
上郷深田遺跡
歴史的価値を考える講演
市歴博の前館長が登壇
神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)で13日、「上郷深田製鉄遺跡の保存を求める会」が主催する講演会が行われた。
同講演は今年の3月に(公財)横浜市ふるさと歴史財団から「上郷深田遺跡発掘調査報告書」が発行されたことを受けて、遺跡から判明していることや、歴史的価値などを共有することを目的として開催された。
上郷深田遺跡とは、製鉄所の跡地。山手学院の南側に位置する。製鉄所として操業していたのは7世紀後半から8世紀後半。県内では唯一の製鉄所の遺跡とされていて、大和政権とも密接なつながりがあったといわれている。
1987年から始まった都市計画道路「舞岡上郷線」の工事に先立って行われた発掘調査によって、製鉄炉などが発見されたが、正式な調査報告書の刊行はされていなかった。
講演会の当日は深田遺跡の見学を実施。その後、報告書の一部を執筆した歴史学者の鈴木靖民(前横浜市歴史博物館館長)さん、(公財)かながわ考古学財団の高橋香さんが登壇した。鈴木さんは遺跡の概要に触れた後、「製鉄に使用した砂鉄は稲村ヶ崎などで採れたものを使った可能性が高い」と指摘。しかし、「現段階ではまだ未確定なことも多い」と話した。
高橋さんは深田遺跡の周囲に古代の墓や遺跡が集中していることに触れ、「栄区が属していた鎌倉郡は当時の最先端の技術を導入して、工業生産地として機能していたのではないか」と説明した。
講演会を終えて、保存を求める会の竹岡健治さんは「関係各所と連携しながら遺跡をどのように残していくかを考えたい」と展望を語る。同会は今年からウェブ上での署名活動を開始し、4700人以上が遺跡の保存に賛同している。
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