川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2023.09.15
川崎在日コリアン生活・文化・歴史研究会の代表を務める
山田 貴夫さん
川崎区渡田在住 74歳
「知識、経験を地域へ還元」
○…差別をなくし、多文化共生社会の実現に力を尽くす。危機を覚えるのは歴史の風化だ。「例えば(多文化共生の象徴である)川崎市ふれあい館。市職員の中にもできたいきさつを知らない市職員もいる。変わった子ども文化センターという認識程度しかない」。川崎市職員として外国人市民代表者会議の立ち上げなどの共生施策に取り組み、大学の非常勤講師として日本の中のエスニックマイノリティをテーマに教鞭をとってきた。「これまでの経験を地域へ還元しよう」との思いを持って活動に勤しむ。
○…慶大に進学し、作家の小田実らが結成した「ベトナムに平和を!市民連合」(べ平連)に参加。海江田万里衆院議員は同級生で今でも連絡を取り合う仲。べ平連では在日韓国人二世の採用内定取り消しをめぐる「日立就職差別裁判」を支援。在日大韓基督川崎教会(川崎区桜本)の青年たちと交流を深めたのが現在の活動の始まりだ。
○…72年に市役所に入庁。最初に配属された田島支所では外国人登録の仕事が待っていた。「俺が外国人の指紋をとるのか」。複雑な思いを抱え、裁判支援の仲間に相談すると「入管登録実務は誰も分からない。お前が見てこい」と逆に励まされた。それから約10年業務に従事した。
○…「この地域にはニューカマーが大勢住むようになってきた。在日の人がいろいろな差別をなくす取り組みをしてきたからだ」としみじみ。今夏には「まちがミュージアムMAP」を仲間と共に作成。川崎南部では多くの古老の聞き取り調査や地域生活史などの研究に携わってきた人たちの成果を基にした資料で「これからはMAPを活用してフィールドワークの実施や市民グループ、学校関係者の学びを手伝っていく」と語る。
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