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公開日:2023.12.08

中島在住飯島正之さん
川崎区の「発見」一冊に
「地元本」第3弾発行

  • 著書を手にする飯島さん

 生まれ育った川崎区には、たくさんの不思議な場所や興味深い出来事がある――。川崎区中島在住の飯島正之さん(40)が地域で聞いた区内の「へぇー」と思うエピソードを調べ、一冊の本にまとめて11月下旬に自費出版した。

 本のタイトルは『それでも川崎区(このまち)が好き』。2016年に発行した『川崎区が好き。観光のないまちと呼ばれる川崎ガイドブック』、その後の『やっぱり川崎区が好き。観光のないまち』に続く飯島さんによる3作目の「地元本」だ。

 実家の金物屋で働く飯島さんは、取引先の社長とのさりげないやり取りの中で「こんなこと知っているか」と地元にまつわる様々なエピソードを教わる。これまで全国の「市役所前」バス停を訪ね歩いたり、国道1号線沿いのコンビニエンスストア「セブン―イレブン」のご当地商品などを調べ上げて本にしている飯島さん。持ち前の探求心で、そうした話の一つひとつの事実を突き止め、ネタがたまっては本にしてきた。今回は過去2作を加筆、修正し、さらに新たなエッセンスを盛り込んで編集した。

「紡いだ歴史をすくい取った」

 A5判、全61ページで3章に分けて構成。第2章の「川崎区の境をめぐる旅」は幸区、大田区、鶴見区、木更津市との境を調査した内容。コロナ禍で世界の都市がロックダウン(都市封鎖)されたニュースをヒントに飯島さんは「もし川崎区でロックダウンされることになったら」と思いを巡らせた。「幻の川崎区中央区のはなし」の項目では、講演で「川崎区はもともと中央区になるはずだった」という話を聞き、文献調査。川崎区制50周年記念誌の記事や市発行の冊子「政策情報かわさき」のコラムに掲載されていたことを突き止め、そのいきさつをまとめた。「お宮の向かい?な『宮前町』のはなし」では稲毛神社の向かいの榎町こそが「宮前」にふさわしいのではとの素朴な疑問から同神社前宮司に話を聞くと、「いや、あの場所こそが宮前町にふさわしい」とその理由の説明を受けた内容を紹介する。

 完成した本を手に飯島さんは「川崎区の知ってほしいスポットを伝えることができた。我ながらすごいものをつくった」と胸を張る。一方で同書は「これまで様々な人が丁寧に調べ紡いできたことを、かすめ取ったに過ぎない」とも語り、先人の取り組みに感謝する。

 飯島さんは本を作成する過程で様々な人の営みによって歴史が作られ、街が形成されたと感じた。「それが川崎区の魅力でしょうね」と笑顔を見せた。

 価格は送料込み1000円。希望者は電子メール(traydrop@gmail.com)で受け付ている。

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