川崎区・幸区 社会
公開日:2025.11.21
11月末まで限定販売
奈良茶飯をおにぎり化
東照とミツハシが共同開発
川崎区本町の和菓子店「菓寮 東照」(岩瀬亘克代表取締役)と米穀類卸売の(株)ミツハシ(本店・横浜市金沢区)が共同開発したおにぎり「郷土めし 川崎 奈良茶飯」がこのほど、完成した。11月末まで相鉄ローゼン(取り扱いのない店舗もあり)をはじめ関東圏のスーパーマーケットで販売されている。
奈良茶飯は江戸時代、東海道川崎宿「万年屋」の名物料理。十返舎一九による、弥次さんと喜多さんの珍道中記「東海道中膝栗毛」に登場し、全国的に名が知られるようになった。
おにぎりはミツハシが手掛ける「郷土めしシリーズ」で5商品目、神奈川県内では鎌倉の「御難(ごなん)おむすび」に続く。奈良茶飯の存在を見つけ、東照が現代風にアレンジして販売していることを知った同社が商品化を相談。「川崎に奈良茶飯があることを多くの人に知ったいただけるのであれば」と岩瀬社長は協力を快諾し、1年前から共同開発が始まった。
完成した商品は、うるち米ともち米に、栗、大豆、小豆を加え、ほうじ茶と出汁で炊き上げたおこわをおにぎりにした。日持ちさせるために使用する酢由来の成分の酸味を消すことに苦労したという。パッケージには、岩瀬社長のイラストがあしらわれている。「かつて旅人の心を癒していたように、食べてほっとする懐かしい味わいに仕上げた」とミツハシの開発課課長代理の平松綾子さんは説明する。
11月14日には岩瀬社長、ミツハシの山邉恵一郎広報課長と平松さんが福田紀彦市長を訪れ、商品をPR。「川崎 奈良茶飯」おにぎりを口にした福田市長は「素朴な味わいでおいしい。川崎の味が関東圏に伝わる。東海道川崎宿を知ってもらえる機会になるのはありがたい」と感謝した。
今月末までの期間限定の販売だが、ミツハシによると、売れ行きの状況を見て来年の販売も検討したいとしている。価格は、180円前後(税込)。
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