川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2026.10.16
川崎浮世絵ギャラリー担当部長(館長)を務める 荻原 圭一さん 大田区在住 65歳
文化のタスキつなぐ熱意
○…「上野に行かなくても、身近な場所でゆっくり本物に触れられる」。来館者からの一言に、うれしさがこみ上げる。多摩区長や川崎市産業振興財団専務理事を経て今年7月に川崎浮世絵ギャラリーの担当部長に就任し行政との調整など運営に勤しむ。故・斎藤文夫氏が半世紀かけて収集した約6千点に及ぶコレクションと接する中、その質の高さと魅力を肌で実感。「多くの人に愛される場所に」と運営や広報に汗を流す。
○…川崎区役所地域振興課時代、「川崎・砂子の里資料館」や地元の町内会、商店街らと共に、宿場の歴史を生かした街づくりをゼロから立ち上げた。東海道への案内板設置や丸型ポストの復元など、手探りで歩みを進めた日々が思い出深い。退職後、再び館長としてこの歴史と文化の現場へ戻った今、「運命的な巡り合わせ」を感じながら舵を取っている。
○…生まれ育ったのは川崎区渡田新町。渡田中でバレーボール部に汗を流し、法政二高で陸上に転向し、法政大学では箱根駅伝のエントリーメンバーに選ばれた。川崎市役所入庁後も実業団駅伝で、後に駒澤大学の名監督となる大八木弘明氏らと共に練習に励んだ。「働くなら大好きな地元で」の一念から一貫して、川崎の街と人により添い続けてきた。
○…今後は次世代への普及に加え、グーグルマップを活用した外国人観光客への発信などインバウンド対応にも注力し、市が掲げる「アート・フォー・オール」の一翼を担いながら誰もが文化に触れられる環境を目指す。休日は小学2年生の孫と公園へ出かけ、ロング滑り台に一緒になって興じるのが目下の癒やし。それまでの真摯な表情から一転、目尻を下げて孫との時間を慈しむ好々爺の顔があった。
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