川崎警察署長に就任した 鳴海 達之さん 幸区在住 57歳
安心して歩ける街を目指して
○…中学生が被害に遭った事件の只中にある3月11日に就任した。「将来のある少年ですよ。本当にいたたまれない」と、署長である前に、1人の大人の立場としての率直な事件への思いを語る。「2度とこのような事件が起こらないよう、行政と情報交換をしながらパトロールの強化、子ども達が集まる場所での積極的な声掛けをこれまで以上に行っていく」と決意は固い。地域住民の不安を払しょくできるように、安心して歩ける街づくりを目指す。
○…青森県青森市出身。小学校卒業と同時に小田原市へ越した。高校卒業後は市内の電機会社2社に務め、自動制御装置の組み立てや輸出用音響機器の基盤の不具合を検査する仕事に身を置いた。20歳のとき、近所に住む小田原署の警察官に「試験を受けてみたら」と誘われ、別畑へと足を踏み入れた。初めての配属先は藤沢署。そこで、盗難届が出ていたオートバイが川に沈んでいるのを発見し、持ち主に返した。肩を落としてトボトボと帰る後ろ姿を見送ると、怒りに打ち震えた。「何故自分は何もしてあげられないのか」。このとき抱いた無力感が、刑事を目指す原点となった。
○…第一機動隊、機動捜査隊等を経て、刑事総務課長、捜査1課管理官、課長など刑事畑を歩んできた。前任は、刑事部の組織犯罪対策本部長。「被害者の涙を思えば、犯人を100%捕まえなければ」と、仕事では鬼軍曹を貫いた。10年から12年までは高津署の署長も務め、3年ぶりに川崎へと戻った。
○…昼食は毎日、お手製の弁当。刑事課や機動捜査隊時代に夜食用にと、煮込みうどんやカレー、味噌汁などを作って腕を磨いたおかげで「何のこれしき」。単身赴任の身でも、あまり困ることはないという。「いつか、妻と娘と一緒に旅行に行こうと決めているんです」と笑顔。「ルーブル美術館で文化に触れ、素晴らしい街並みも見てみたい」。行先は花の都、パリだ。
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4月19日
4月12日