さがみはら中央区版 掲載号:2018年2月8日号
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当事者の声生かした支援を 弱者救うNPO発足

社会

親子が楽しめる機会をと企画した横浜FCの試合観戦ツアー
親子が楽しめる機会をと企画した横浜FCの試合観戦ツアー
 市内外に暮らす高齢者や障害者、LGBT(一般的に性的少数者を表す総称)、生活困窮家庭など社会的にサポートが必要な人々の居場所づくりや支援を実際に当事者であるメンバーらが行う特定非営利活動(NPO)法人「Action」がこのほど発足した。同法人は「健常者と障害者の境界線を持たないNPO」として当事者の声を生かし、理解を世間に広めることにも重きを置きながら活動していく構えだ。

 同法人は生前整理や遺品整理を行う整理・リサイクル業を営む高津大輔さんが発起人となり昨年9月に発足した。

 高津さんは、自身が徐々に視野が欠けていき、最終的には失明する可能性もある難病「網膜色素変性症」を患う当事者であり、稼業を営む中で、様々な悩みを抱え自殺や夜逃げなどに追い込まれた人々に接する機会が多々あったことから、社会的な支援が必要な人の居場所をつくる必要性を感じていた。そうした中、2016年8月にくも膜下出血で倒れ、高次脳機能障害の後遺症が残った父親を介護しなくてはならない状況に。行政や福祉施設と意思の疎通が取れず、ストレスを感じたのと同時に、現在、同法人の監事を務め、以前から様々な社会貢献活動やNPOの活動に携わってきた金田祐史さんに出会い、NPOの存在やNPO法人ができることを知ったことで、自ら法人の立ち上げを決意。高津さんのもとでアルバイトとして働いていたLGBTの人や、少年院を出て社会復帰をめざしている人など、自身も当事者でありながら、なおかつ同じ境遇の人に対して手助けがしたいと考えているメンバーを集め、活動を開始した。

 発足後、同法人では高津代表が社会貢献活動に積極的に取り組むサッカークラブ・横浜FCのスタッフと交流があったことから、市内の養護施設の子どもや学童、発達障害を持つ子ども向けの放課後デイサービスに通う子どもなどを集め、同クラブの試合観戦ツアーを11月に開催。普段気軽にスポーツ観戦などに行けない親子が楽しめる機会を創出した。

皆が暮らしやすい社会に

 同法人には、LGBTやADHD(注意欠陥・多動性障害)、うつ病、少年院を出て社会復帰をめざす若者など社会的な支援が必要な人と健常者が混じって活動に取り組んでいる。そのため、健常者の立場からの一方的な支援ではなく、「健常者であっても障害者や社会的弱者の視点に立った支援が自然にできる」と高津さんは話す。そして、それぞれが持つ人脈やネットワークを生かし、行政やあらゆる民間団体と連携しながら、その時々でメンバーが「人のため、地域のため、社会のためになり、いずれ自分のためにもなること」を考え、実現させていくことに力を入れるという。

 今後は、譲り受けた非常食を生活困窮家庭に届ける機会としてイベントの開催を予定している。併せて、空き家を活用した同法人の拠点づくりも計画中。車いすバスケをはじめとする障害者スポーツを行う場所が市内で限られている現状を踏まえ、そうした場を創出するとともに、高津さんの稼業と絡めた高齢者や障害者の就労支援の場として地域住民を巻き込む構想だ。「障害者が暮らしやすい社会は健常者も暮らしやすい社会だ」と高津さん。社会全体が当事者意識を持ち、差別や偏見の意識のない、皆が暮らしやすい社会の実現をめざして進んでいく。

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