環境保全、天敵駆除に注力
古くから相模川のシンボルとして親しまれる鮎。今年も1日に鮎釣りが解禁され、毎年6月から10月にかけ多くの太公望が相模川を訪れる。一方で、1947年の相模ダム、1965年の城山ダムの完成以降、相模川の水量の減少や濁流などが目立ち、鮎の生息環境は厳しい状況にある。そうした中、シンボルを絶やすことのないよう尽力するのが相模川第一漁業協同組合(水郷田名)だ。
相模川漁業協同組合連合会の一つである同組合は主に相模川上流を管理し、河川の環境保全に取り組む。鮎釣りの時期に合わせ、養殖・購入した鮎を放流する役割も担っている。
「ここは昔、澄んだ水が豊富にあり今以上に鮎の名所だった」と話すのは同組合の田所昌訓組合長。鮎が順調に生息するには、清流で、餌となる藻が繁殖しやすい環境であることが欠かせない。田所組合長によると、以前は悪天候などで川が濁っても、すぐに山からきれいな水が供給されていたが、現在はダムに溜まった水が流れてくるため、元の川に戻るまでに時間がかかるという。田所組合長は、「悪天候はどうしようもない。ゴミのポイ捨てや、川での洗車を防ぐなどできることをやるしかない」と話す。
鮎は広範囲の砂利場を産卵場所として好むため、同組合では産卵に適した場所を作ろうと組合員らが川に入り機械や手で、川床をならしている。「外敵から鮎を守ることも必要」と考える同組合では密猟者を監視するほか、鮎を主食とする天敵のカワウを追い払うため、毎日朝晩ロケット花火を焚くなど地道な努力を重ねているという。
「昔は自然の中ですべてが循環してきた。今は、これ以上環境が悪くならないようできることをやっていきたい」。「鮎釣りの名所」の名を守るため、一つひとつ地道に取り組んでいく。
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