さがみはら中央区 文化
公開日:2022.09.29
ミナミアシハラガニ
北限地、相模川で「見つけた」
ふれあい副館長、論文を発表
熱帯に多く分布
主に東南アジアやミクロネシア、メラネシア、ポリネシアなどの熱帯および亜熱帯域に分布する「ミナミアシハラガニ」が今年4月、相模川下流域で発見され、調査および研究の結果、本種の北限記録としてその論文が専門誌「伊豆沼・内沼研究報告第16巻」(宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団発行)に掲載された。
散策中に出合う
発見したのは、相模川ふれあい科学館(水郷田名)で副館長を務める伊藤寿茂さん。専門分野の一つとしてカニについて学んでいる伊藤さんは4月15日、相模川を散策していると川岸の土の上に見慣れないカニがいるのを目にした。「珍しいものを見つけたかも」と期待に心躍らせながら個体を観察。相模川に生息するハマガニやアシハラガニと似ているが、丸い甲羅やくっきりとしたまだら模様、頬の突起の並び方などが異なっていた。
その後、新江ノ島水族館の協力を得て調べたところ、個体がミナミアシハラガニであることが判明。伊藤さんは、相模湾周辺での出現はこれまで三浦半島、伊豆大島、伊豆半島以外に報告されておらず、相模川での初記録であるとともに本種の北限地(最も北に位置する生息地)であるとした論文をまとめ、伊豆沼・内沼研究報告編集委員会に提出。その論文がこのほど同誌に掲載された。
越冬と推測
伊藤さんによれば、南国に生息する生き物の多くは相模川の冬の寒さに耐えられないが、今回の個体は4月に大きく育った状態で見つかったため相模川で越冬したと考えられるそう。今後は相模川で繁殖する可能性も期待できるという。
伊藤さんは「ミナミアシハラガニはもともと草むらなどに隠れる性質を持っている。もしかすると昔から相模川にも生息していたが、見つかっていなかっただけかもしれない」と話した。
同館では「相模川初で北限の新記録!ミナミアシハラガニ」と題し、10月30日(日)までミニ企画展示を開催中。ミナミアシハラガニの標本のほか、近い品種の生体、論文発表までの経緯を説明するパネルを展示している。詳細は同館【電話】042・762・2110(月曜休館・祝日の場合開館)。
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