ロードレースの元世界チャンピオンで現役オートレーサーの青木治親さんが11月12日、障害者にオートバイを体験してもらうイベントを相模病院(南区若松)で開催した。普段は歩行器や車椅子で移動している人や知的障害者など、市障害者地域作業所連絡協議会の会員およそ30人がオートバイの運転を楽しんだ。
青木さんが代表を務める一般社団法人SSPのボランティアたちの補助のもと、参加者たちはバイクにまたがって25mほどのコースを往復した。エンジンがかかると「お〜」と喜びの声を上げる参加者もいた。
参加者の工藤麻記子さん(49)は「1人で乗れるか不安だったけど意外と簡単だった。エンジンの振動と音がすごかった」と話した。
同法人は障害者がオートバイに乗れるよう支援する活動を5年ほど前から行っている。事故で下半身不随となった元ロードレース選手の兄・青木拓磨さんを22年ぶりにオートバイに乗せた際、報道を見た障害者から「私もやりたい」という声が寄せられた。「バイクに乗りたいのは拓磨だけじゃないと気づいた」
以来、障害者向けに無料体験走行会を開催するなどの活動を続け、延べ1700人を超えるボランティアが関わってきた。青木さんは「障害者がオートバイに乗れると思えない社会状況にある。障害があっても夢を諦めなくていい」と話した。
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