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さがみはら中央区 文化

公開日:2025.06.19

食品サンプルに新需要
個人向けや少数受注

  • トースト型の時計作りを体験する記者(上右)と見守る北島さん(同左)/完成品(下)

 百貨店のレストラン街や喫茶店のショーケースでよく見かけた――。そんな印象の食品サンプルだが、実は近年新たな需要が広がりつつある。

 食品サンプルの制作や販売、講座を行う「アトリエステラ☆」(中央)主宰の北島さとみさんは「以前はロウで作っていたが、現在は液体樹脂や塩化ビニルが使われるようになり、よりリアルで丈夫になった」と話す。素材の進化により表現の幅が広がったことで、同アトリエでは雑貨やスマホケースなど個人向けの需要が拡大。同時にメーカーが受け付けない1個単位の生産に対応することで、キッチンカーなど新たな層も取り込んでいる。北島さんの手掛ける作品は、映画「国宝」やCMなど幅広い分野で使われている。委託販売先である「和菓子司 杉山本店」(上溝)では「本物みたい」と手に取る人も多く、和菓子と並ぶもう一つの名品として来店客の目を引いている。

 個人需要の高まりを受け、同アトリエでは体験講座を開いている。参加者の中には県外に住んでいる人や海外からのツアー客もいるという。

 この日、記者もトースト型の時計作りに挑戦。シリコン製の型に2種類の液体樹脂を流し込み、化学反応で固めて土台を作る。実際の食品から型を取るため失敗しにくく、その分、色づけに個性が出やすい。色をつけた粘土にニスを塗ると、今にもとろけそうなバターができあがる。トーストの焼き目は、水分を抑えた「パサパサ」の絵の具を小筆で慎重に塗ってつけていく。色加減に苦戦しながらも、完成した作品は本物さながらの仕上がりで、思わずかじりつきたくなるほどだった。社内でも話題を呼び、「話のタネに」という北島さんの言葉が思い出された。

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