神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

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慶應義塾大学総合政策学部飯盛義徳研究会Joint所属・瀧聡志 「らしさ」の探求

公開:2011年7月21日

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 高度経済成長期からマスメディアは大きく発達してきた。その結果、大都市の生活様式がメディアを通して地方に浸透し、豊かさの統一モデルのように受け止められるようになった。地方の人々はこの生活様式に憧れを持ち、地域文化に誇りを見いだせず、憧れの大都市を模倣することに力を入れ始めた。

 相模大野もその流れ同様に都市の模倣をしているように感じる。多種多様な専門店、レストラン、医院などが揃っている駅ビル、そして伊勢丹の存在。相模大野は生活に必要なものはほとんど手に入り、生活しやすい環境に発展してきた。その模倣には、「誇りの消滅」というマイナス側面だけでなく、地方のさらなる発展の可能性を見いだせる。なぜならば、この商業施設により、若者たちの「地元志向」を高めるという側面も考えられるからである。『地域情報化 認識と設計』によると、”都市部に集中していた大型店舗が郊外へ進出し、都市部に出なくてもいろいろなものが手に入るようになった昨今、若者たちの間で「地元志向」が強まりつつある。彼らのいうジモトが、必ずしも若者以外にも共有される地域イメージと重なり合うわけではないだろうが、彼らの生活圏が、彼らにとって「ここしかない」ものとして認知されているのだとすれば、それこそが地域イメージの源泉になりうる”とある。つまり商業施設の発展で若者に「ジモト」意識が醸成しやすくなり、コミュニケーションの場として商業施設が機能しているというのだ。

 しかしながら、商業施設の増加は商店街に損害も与えかねない。あらゆるものが揃ってしまえば、これまであった商店街に足を運ぶ必要もなくなる。そこで、私は、両者が共存していける環境を作るべきと提案したい。

 魅力的な街には「らしさ」が必要である。その「らしさ」を出す一つの可能性が商店街ではないかと考える。商店街は住民同士の対話を生み、「人と人」をつなげてきた。そこからその土地の雰囲気や生活する人の気質などが見えてきて、「らしさ」を見つける事ができるのではないか。住民が主体的に地域のために取り組む機会があるとよい。北口商店会の「ハロウィン」のように、子どもたちも巻き込み、あらゆる世代で「人のつながり」を作る。地域の「つながり」を大切にすることで「ジモト」意識が高まり、相模大野「らしさ」が出てくるはずだ。住民一人一人が主体的に考え、新しくなる大野の「らしさ」を見つけていこうではないか。

─参考文献─丸田一、國領二郎、公文俊平. 2006.『地域情報化 認識と設計』NTT出版/松谷明彦. 2009.『人口流動の地方再生学)』日本経済新聞出版社
 

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