弥栄高校との統合により、この3月で閉校する相模原青陵高校(杉山肇校長/新磯野)で1日、最後の卒業式が行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、卒業生と教職員のみの式典となったが、新たな門出を迎える10期生に杉山校長から卒業証書が手渡された。
相模原青陵高校は2010年4月、相武台高校と新磯高校の再編・統合により、新たに開校した。学校の愛称「SORA」、スクールキャラクター「そらちゃん」、校歌の作曲までを生徒主体となって考えた「手作り感」溢れる船出だった。これまでの卒業生は2300人以上。部活動でも顕著な成果を残し、その中にはボクシング世界3階級制覇王者の井上尚弥さんも含まれている。
また、「地域等連携教育」を推進し、近隣の催しなどにも積極的に参加。全国大会出場経験のあるチアダンス部や吹奏楽部のほか、応援団リーダー部などもイベントの盛り上げに協力してきた。しかし、少子化による中学校卒業者の減少、それに伴う学校の活力低下などの観点から、県教育委員会は16年1月に県立高校改革実施計画(I期)を発表。同校と弥栄高校が、20年4月に再編・統合される対象校となったこと、統合後は弥栄高校の敷地、施設を活用することが示された。
周囲に感謝
発表を受け、相模原青陵高校では統合校設置に向けた準備に着手。18年度から入学生の募集を停止し、今年度は3年生のみが在籍していた。また、閉校に向けた式典開催のため1年ほど前から準備を進め、今年2月10日には「ホームカミングデー」、23日には完校記念行事「SEIRYO FINAL STAGE」を杜のホールはしもとで開催。青陵高校だけでなく、相武台、新磯高校の卒業生らも姿を見せ、会場が満席になるほど賑わいをみせたという。
そして迎えた3月1日の卒業式。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、保護者らの列席が見送られたため、教員の尽力で急きょ、インターネットで動画配信が実施された。
規模を縮小して行われた式典では、229人の10期生一人ひとりに杉山校長から卒業証書が手渡された。卒業生代表として壇上に立った飯塚愛花さんは「皆さんに会場で見届けてほしかった想いはある」としながらも、保護者、教職員、地域の人たちへの感謝の言葉をつづった。そして「何事も本音で語り合える友人と出会えたことが、青陵高校での一番の宝物」と笑顔で語った。
卒業式後に予定されていた「完校式」は中止に。杉山校長は「最後なので、予定通り完校式を行いたかった気持ちはあるが、卒業式ができて良かった。心の優しい生徒が多かったので、学校がなくなってしまうのは残念。卒業生には新たなステージで『青陵魂』を発揮してもらいたい」と話している。
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