一時は部員2人廃部の危機も
大野台中学校女子ソフトボール部が7月2日から23日まで開催された相模原市中学校ソフトボール大会で優勝した。
同部は3年前、3年生の引退後、部員が1年生の2人だけになり廃部の危機に見舞われていた。追い打ちをかけるように新型コロナの感染が拡大。3月から6月まで休校措置となり、部員募集もままならない状況の中、新年度を迎えた。
休校措置が明けると顧問の三上健二教諭や残った部員の星野遥奈さん、中村美心さんを中心に部員を勧誘。OGや保護者らの協力もあり新入生8人が入部。廃部の危機を免れた。この時の1年生が今の3年生たちだ。
「仲が良く、楽しそうだった」。主将の落合莉瑚さんもエースの渡邉優羽さんも、部員僅か2人の部活に同じ感想を抱いた。落合さんは小学4年生から野球を続けていたが、渡邉さんは全くの未経験。「写真部に入るつもりだった」ところを友人の西明瑶菜さんに誘われ、そのまま入部した。新型コロナの影響で大会はおろか練習もままならない状況だったが、初心者の選手たちは少しずつ力をつけていった。
翌年さらに5人の新入生が入部。廃部の危機を乗り越えたチームとして本紙で紹介すると(2021年6月10日号)、卒業生らが後輩たちのために駆け付け、練習相手を買って出てくれた。
迎えた3年生にとって最後の大会。予選リーグを勝ち上がり、8校によるトーナメントに臨んだ同校は1回戦を18対3で圧勝。準決勝の大野北中戦は5対12から、決勝の大野南中戦も4対6からそれぞれ最終回に逆転しサヨナラ勝ちで優勝をつかみ取った。落合さんは「自分たちなら諦めなければできる」と仲間を信じての初優勝に「ガッツポーズが出ちゃった」と喜んだ。準決勝に勝利し、県大会の切符は手にしていたものの決勝戦は「さすがに緊張した」という投手の渡邉さんも「言葉で言い表せないくらいの達成感」と満面の笑みを浮かべた。三上監督にとっても同校に異動して初めての優勝。「勝った喜び以上に、支えてくれた卒業生に良い報告ができることが嬉しい」と感謝を口にした。