さがみはら南区 社会
公開日:2023.04.27
ユースエール認定企業
高いハードル3社がクリア
神奈川労働局は「ユースエール認定企業」として、株式会社TES(奥岡彰代表取締役・緑区)と株式会社永建(永井利幸代表取締役・中央区)を認定した。3月20日には相模原公共職業安定所(ハローワーク)で認定通知書交付式を行い、同所の児玉満所長から奥岡社長、永井社長に認定通知書が手渡された。
「ユースエール」は2015年に施行された若者雇用促進法に基づき、若者の採用や育成に積極的で雇用管理の状況が優良な中小企業に対し、厚生労働大臣が認定する制度。離職率や残業時間、有給休暇の取得実績など厳しい認定基準をクリアしなければならない。
一方で、認定企業は認定のロゴマークの使用やハローワークによるPR、就職説明会への参加などのメリットがある他、学校の指導者が安心して学生らに推薦できるアピール点にもなっている。
制度が始まって以来、相模原市内の認定企業はゼロだったが、22年度は昨年12月に社会福祉法人小山地域福祉会(高橋功理事長・中央区)が初めて認定され、3月に2社が相次いで認定された。
小山地域福祉会
たけの子保育園(1979年開園)、たけの子第2保育園(1999年)を運営する小山地域福祉会は「人を大切に」をテーマに、チームで作る保育を心掛ける。20年に変動労働制を週休2日制に、21年に保育・教育施設向けのICTツール「コドモン」を導入し、保育士の手書きの事務作業を減らしている。1歳児の保育士は、国の配置基準1:6に対し、1:4。園全体を見る「フリー保育士」が常に2〜3人おり、「全員がすべてのクラスの担任のつもり」(高橋理事長)で情報を共有しているという。
TES
(株)TESは、今年創業35年のソフトウェア開発企業。認定について奥岡社長は「社会情勢の変化に対応し、高いハードルをクリアし続けることは、安心して働ける企業であることの証」と胸を張る。
IT業界はここ数年、業界全体で残業を減らす傾向にあったが、新型コロナの流行でリモートワークが常態化。さらに段取りが良くなり、残業は減っているという。
また、同社では未経験者が多い新入社員に対し、外部研修とOJT(職場内訓練)に半年かけるなど、人材育成に予算と時間を費やしている。
永建
(株)永建は、今年創業10年のビル・マンションなど大規模修繕工事の足場施工を行う会社。22年5月にリニューアル事業部を新設、大規模修繕工事も請け負っている。
永井社長によると創業当初は残業も多かったが現在はほぼゼロ。「仕事の時間配分を明確にし、若い社員が能力を引き出せるようにした」ことで自然と残業は減ったという。残業をなくすことで継続して働き、安定した生活が送れ、夢や趣味に時間を割ける好循環が生まれている。
今回の認定について「若い社員が『うちはユースエール企業だ』と胸を張って仕事ができる」と喜んだ。
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