さがみはら南区 トップニュース社会
公開日:2025.12.11
がんばる企業
「エース」に区内2社
独創性、貢献度に評価
ビジネスモデルの独創性や地域への貢献度が特に優れた中小企業を神奈川県が認定する「神奈川がんばる企業エース2025」に、南区から2社が選出された。独立支援制度を設けた人材育成による業界の活性化や主力事業の技術力を生かしたCGアニメーション制作など、各社の独自の取り組みが評価された。
クライムエヌシーデー
株式会社クライムエヌシーデー(同区下溝、高橋啓太代表取締役)は、自動車ボディなどを成形するプレス金型のCAD/CAMデータ製作を主力事業としている。
設立は1988年。当時、3次元CAD/CAMがこれから普及していくという頃で先駆けであった。
同社主要な取引先は大手自動車企業。一社に依存せず、トヨタ、日産、本田技研工業、三菱などさまざまな企業と取引する。各社で仕様が異なるため「業務を切り替えてこなす高い対応力が求められる」という。
また、00年頃に工業・技術特化型の「CGアニメーション」事業に着手。本業である3次元モデリングの技術を生かし、図面では分かりにくい機械の内部構造や動作などをCGで映像化した。「動くマニュアル」と評価され、機械操作の安全教育や打ち上げ衛星のミッションを一般向けに伝えるアニメーション制作を受けるなど事業の幅が広がった。
さらに07年には中央区下九沢に「加工技術センター」を開設。「もともと金型の設計図と加工するためのプログラミングの技術はある。それなら実際に作ってみよう」と5軸加工機2台を導入した。現在は7台に増設し、金型部品や試作部品を受託製作している。
高橋社長は「実際にモノづくりを始めると金型を削る工具の動きがわかり、CAD/CAMデータづくりに還元できるなど技術向上など相乗効果もあった」と語る。
同社の従業員は36人。高橋社長は「『小なりとも王道をゆく』が経営理念。小さい会社だけど、一流を目指していく。少数精鋭で大手に技術力は負けない」と自負する。
小池設備
一般家庭から道路などの公共工事まで幅広く水道管工事を行う株式会社小池設備(同区西大沼、小池重憲代表取締役)。1973年に設立し、50年以上「街の水道屋」として地域を支えている。
同社は同業者の廃業増加を背景に廃業危機にある会社の人材を育成する独立支援制度が評価された。
きっかけは2014年。同社は人材不足に備え、全国の設備科のある高校に足を運んでいた。小池さんは静岡県の工業高校を訪問した際、教員から「地元の会社が廃業危機にあり、行き場をなくさないためにも、生徒を小池さんが育ててその会社を継がせてほしい」と言われた。小池さんは「独立されたら困ると思った。でもそれを応援できたらむしろ面白いのではないか」と独立支援を掲げ、人材募集を開始した。
独立を目指す社員が課題を見出して成長し、取引先からも指名される姿は小池さんにとっても「子どもの独り立ちを見守る気持ち」だという。
また社員に向け、夢を認識し、共有する「夢会議」を月に1度実施。「目標を口にすることでどうやったら叶うのか、みんなで前向きに考える」と小池さんは語る。
人材不足が叫ばれる業界で、独立支援をすることについて「社長として自立や自分で考えることができる人たちがたくさんいた方が地域が良くなると思う」という。今では職場体験に来た中学生や地方から来た就職希望者まで小池さんは「君、社長にならないか」と呼び掛けている。
小池さんは「これからは求職者をいかに即戦力に育てるかが大切。AIに頼るのではなく、人にしかできないものを作っていきたい」と意気込んだ。
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