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さがみはら緑区 人物風土記

公開日:2020.03.05

創刊5周年を迎えたはしもとフリーマガジン「めぐり報」を発行している
高城 昌孝さん
橋本在住 46歳

「街を知って、好きになって」

 ○…「リニアでどれほどの人が橋本で降りるのだろう」。巨大経済圏の形成を期待させる高速交通網は一方で橋本からの人口流出をもたらす恐れもある。「街に魅力がなければ降りてもらえない。ならば橋本の魅力って?」。生まれ育った街の魅力を一から探ろうと、本業の映像編集の傍ら一人手弁当でフリーマガジンの製作を始めた。「最初はA4の紙ペラ。それを3店舗に10部ずつ置かせてもらった」。気づけば2月で5年。今では「紙ペラ」が冊子になり、2千部を発行する。

 ○…人、街、季節。幾多の「めぐる」を重ね合わせ『めぐり報』と名付けた。合言葉は「橋本を知ってみましょ」。「住んでいても知らないことがたくさんあるはず。街を知れば好きになり好きになればもっと知りたくなる。その循環で、街をより好きになってほしい」。最もこだわるのは人に光を当てること。「人の心意気から橋本を知ってほしい」と笑う。

 ○…活動を続けることで応援者も増えた。地域貢献の思いに共感し、昨夏から発行を手伝う20余名の主婦らのボランティア「めぐり組」の存在も今や欠かせない。「自分がしてきたことは間違いじゃなかった」と少しはにかみ、「応援してくれている人を裏切るわけにはいかない。今後も続けていく」ときっぱり。

 ○…幼い頃、神輿や出店に湧く橋本神明大神宮・八坂神社例大祭に目を輝かせた。「あのわくわくを今の子たちにも味わってほしい。そういうものがあり初めて橋本は楽しかったなと思ってもらえる。大人になって帰ってこられる場所を子どもに残したい」。無理に新しい催しを生まなくても生活の中に人が集う要素はある。心に沁みついているものを生かせば街の魅力になる。それが見つけた答えの一つだ。

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