相模原市の「新しい生活様式」実践促進動画のBGM「skylark」を制作した 磯貝 サイモンさん 相模原市出身 37歳
希望を音楽に込めて
○…「曲を聴いてくれた人が、少しでも明るい未来をもう一度描けるきっかけになれたら」。コロナ禍という今までにない状況の中で、市民に希望をもたらすという重責になかなかテーマが定まらず、久しぶりに故郷へ足を運ぶと、この重苦しい世相をものともせずに飛び回る鳥たちの姿が新鮮に目に映った。そこから曲のテーマには相模原市の鳥である「ひばり」を選び、アコースティックギターの爽やかなメロディーにポジティブな歌詞を乗せた。
○…音楽好きな両親の影響で、4歳から鍵盤を弾いた。中学に上がるとロックとギターにはまり、相模原高校に進学すると更に没頭。この頃から作曲に目覚め、文化祭では大好きな「ゆず」のコピーと共に、オリジナル曲もステージで熱演した。「自作のCDを文化祭で勝手に販売して、こっぴどく怒られたこともあります」とからからと笑う。「でもいい学生時代でした」
○…昨年はコロナ禍で音楽業界も大きな影響を受け、仕事が入らなくなった。ただ落ち込むだけではなく、「こんな状況でも自分にできることを」と、ファンへ向けて配信ライブを行った。その数、4月から約170本。画面を通じて、音楽を伝え続けた。「元気をもらった」という声に、自身も勇気をもらい、「音楽の力を感じた」と笑顔を浮かべる。
○…「この曲がコロナ禍で苦しい思いをしている人以外にも、生き方を迷ったり、人生探しをしている人にも届けばいいな」。その言葉通り、明るい未来を想起させ、聴く人を元気づける歌詞がつづられる。「相模原に誇りを持って、愛してほしい」と思いを馳せる。自分の音楽が相模原への愛着の一助となることを願いながら、希望を届けるために歌い続ける。