報道写真家として全国の災害現場を撮り続ける 時田 まさよしさん 南区在住 75歳
写真通じて多くの人に関心を
○…「相模原市はこれまで地震の被害が少なく、災害に対する市民の関心はまだ薄い」と警鐘を鳴らす。8月中旬に南区で開催した写真展では倒壊したビルや家屋、崩壊した道路、焼き尽くされた街並みなど能登半島地震の被災地を克明に伝えるカラー写真30点を展示した。「地震が発生したらどうしたらいいのか。家族と一度話し合ってほしい。写真がそのきかっけになるといい」
○…「人の心を打ち惹きつけること、訴えることの大切さが報道には必要」。大切にしている信条は『一写入魂』。一枚一枚に撮影日と場所を記入し、防災を視点とした解説も加えている。時には凄惨な現場に立ち会うことも。「辛くて話しかけることもできないことがある」。それでもありのままの現実を伝えようと、シャッターを切り続けてきた。
○…出身は東京都目黒区。カメラとの出会いは小学校6年生の時。新聞配達のアルバイトで初めて自分のカメラを手に入れた。修学旅行で撮影した思い出は今でも忘れられない。「シャッターを押しただけで、こんな風に撮れるのかって子ども心に興味を持ったんですよ」。サラリーマンとして働きながらカメラの腕を磨き、アメリカの国際フリーフォトグラファー協会の会員にもなった。
○…報道写真家として踏み出したのは40代半ば。ボランティアとして訪れた1995年の阪神・淡路大震災の被災地で撮影したのがきっかけ。「1枚の写真がどれだけのことを物語っているのか、多くの人に関心を持ってほしい」。そんな思いを原動力にこれまでに駆け付けた災害現場は全国100カ所を超える。「日本は災害大国。まだまだ国民には伝わっていない」。写真を通じてこれからも訴え続けていく。
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