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公開日:2025.07.24

相模原北署管内
被害額が1億円超え
特殊詐欺 前年の10倍近くに

 相模原北警察署管内で特殊詐欺の被害が急増している。今年(7月15日時点)の認知件数は16件で、被害額は約1億2640万円になる。前年同時期と比較して1億円以上増加しており、同署では注意を呼び掛けている。

 今年の内訳はオレオレ詐欺が9件・約1億1870万円、預貯金詐欺が3件・約430万円、架空料金請求詐欺が3件・240万円、還付金詐欺が1件・約90万円となる。オレオレ詐欺の被害が一際多いのが今年の特徴。なお、前年同時期の特殊詐欺の認知件数は6件で、被害額は約1710万円だった。

携帯電話に連絡

 今年の被害急増について、同署の生活安全課の担当者は「新しい傾向が見え始めている」と話す。まず、携帯電話に詐欺の連絡が入ること。これまで特殊詐欺と言えば、固定電話に連絡が入ることが主だった。これにより、「高齢者だけでなく若者が被害に遭い始めている」と話す。同署管内でも、10代の若者がオレオレ詐欺の被害に遭っている。「特殊詐欺は高齢者が狙われるという思い込みがあり、若者はどのような手口で狙われているかを詳しく知らない。手口を知らないため、今後、詐欺の電話を信じてだまされるケースが増えるかもしれない」と注意を促す。

自動音声が話す

 さらに、傾向として、電話口の声が人から自動音声に変わった。電話に出ると、「あなたの銀行口座が悪用されている」などと自動音声が流れ、番号ボタンを押してオペレーターにつなげるように指示する。ボタンを押すとオペレーター役が応じ、その場で警察官役などに電話を替わる。実際にあったケースでは、警察官は地方の警察を語り、「取り調べをするからここに来てほしい」と促す。現地に行けないことを伝えると、LINEやテレビ電話などを使って画面越しに取り調べをすると話を進め、「銀行口座が不正利用されているので口座が差し押さえになる。警察の口座で預かるので、すぐに送金するように」と言葉巧みに誘導。被害者がネットバンキングを利用して、その場で預金を移すと、それ以降は連絡が取れなくなった。

 この際、使われるのがネットバンキング。これが被害額が急増している原因の一つ。「銀行のATMなどと比べてネットバンキングは振込上限がゆるいため、1度の被害が高額になりやすい傾向にある」という。

Xなどで情報発信

 同署では「知らない番号には出ない、心当たりのない自動音声には応じないことを心掛けてほしい」と忠告する。また、「警察はSNSや画面越しに取り調べはしない。警察手帳や逮捕状などを画面越しに見せることもない」と念を押す。

 同署ではX(https://x.com/sagakita_police/旧ツイッター)で随時、情報を発信しているほか、前兆電話の情報などは相模原市のメールマガジンでも発信している。「やりとりに心当たりのある人、詐欺の連絡があった際は管轄の警察署にご連絡を」と呼び掛ける。

 なお、特殊詐欺の被害は県全体でも増加傾向にある。6月30日時点の今年の認知件数は1134件で、被害額は約52億5400万円。前年同期比で303件、約29億7300万円の増加となっている。

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