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公開日:2025.07.31

市減塩プロジェクト
街ぐるみの啓発目指す
「まずはマイナス1グラム」

  • 減塩を呼び掛ける村山さん(左)と小林香里さん

 脳梗塞などの疾患リスクを軽減するため、相模原市は市民一人当たりの食塩摂取量を現在の7割程度に抑えることを目指す取り組みを進めている。「さがみはら街ぐるみ減塩プロジェクト」と銘打ち、減塩レシピの紹介などの啓発活動を行う。

 プロジェクト始動の背景には、相模原市民の循環器疾患(脳血管疾患・心疾患)による死亡率の高さがある。2019年に神奈川県が行った主な死因を比較する調査で、がんによる死亡は県平均とほぼ同値だったのに対し、高血圧などが原因となる循環器疾患は県平均を上回った。

 食塩の摂りすぎは、高血圧や動脈硬化につながり疾患の原因となるため、問題視されている。実際に市内成人の5人に1人が高血圧に関する治療を受けているという調査結果もある。厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」によると、推奨される1日の食塩摂取量は男性が7・5グラム未満、女性が6・5グラム未満とされている。しかし、令和5年国民健康栄養調査の結果によると、男女共に目標量に対し約3グラム多く摂取していると示されている。しかし、市ではこれまで、「減塩」に特化した取り組みはなく、健康診断の結果に基づく、保健指導に留まっていた。

 こうした状況を受け、市は24年に策定した「相模原市保健医療計画(第3次)」の中で、「適正な血圧の維持に取り組む人を増やす」と明記。減塩について効果的な対策を検討し、街ぐるみで減塩を展開するプロジェクトを立ち上げ、昨年度から取り組みを開始した。

自然に続ける

 「減塩意識」を多くの市民に浸透させるためには、「減塩に取り組む環境づくりが大切」と市健康増進課の村山千穂さんは話す。「国としては一日3グラムの減塩を推奨しているが、いきなりは難しい。減塩メニューでおいしさを感じながら少しずつ」と呼び掛ける。そこで掲げたスローガンが「まずはマイナス1グラム」。食べる時の減塩のコツとして、ラーメンのスープを飲み干さず半分残すだけでも約3グラムのマイナスが見込めるという。

 同プロジェクトは29年度までの6年間。相模原市民に即した効果的な対策を検討し講じるため、初年度は実態調査を中心に行った。今年度から啓発活動が本格化している。

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