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さがみはら緑区 社会

公開日:2025.11.24

相模原市が火葬場の時間延長など補正予算案を市議会に提出
深刻化する「火葬待ち」解消へ

 火葬需要の高まりによって生じる冬の「火葬待ち」の長期化に対応するため、相模原市は市営斎場(南区)の利用時間を延長する補正予算案を市議会に提出した。市議会12月定例会で採決されると、2026年1月から火葬場の利用時間が午後5時までから午後6時までに1時間延長される。

冬季は平均1週間以上の「待ち」

 相模原市では例年1月から3月にかけて死亡者数が増加し、火葬場の利用が集中する傾向にある。市の発表によると、昨シーズンの「火葬待ち」の待機日数は1月、2月が9.4日、3月は7.4日と、いずれも1週間以上。市の斎場準備課の担当者は「この数字は平均なので、もっとお待ちいただく場合も出ているかと思います」と話す。

 こうした状況を改善するため、市は火葬場の利用時間延長の方針を固めた。延長期間は26年から3年間。延長時期は毎年1月から3月まで。この1時間の延長措置により、3か月間でおよそ340件の火葬枠を拡大できると見込まれている。補正予算案には、増加する人件費を含む指定管理料として3244万4千円が盛り込まれた。

背景にある人口動態と将来の課題

 今回の時間延長は、短期間で待機日数を減らすための応急的な対策であるが、同課が発表した人口動態の推計によると、今後も火葬需要が高まると見込まれる。

 65歳以上人口は20年の18万9,716人から増加を続け、46年には25万1,463人でピークを迎えると予測されており、以降も市内で高齢者の占める割合も増加していくとされる。この高齢者人口の増加は、長期的に火葬需要を高める要因となる。

 市営斎場では火葬炉の長寿命化改修が28年度から30年度にかけて予定されており、期間中は火葬枠の確保がさらに難しくなることが懸念される。

 市は今回の火葬時間延長による混雑緩和効果を検証しつつ、将来の需要と施設の維持管理を両立させるための検討を進めていく方針である。

長期的な対策としての新斎場整備

 安定的な火葬体制を確立すべく、市は新斎場整備事業も進めている。新斎場の最終候補地を津久井地域の「青山」に決定。現在、施設整備にあたっての基本計画の策定が進められている。

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