昨年の９月頃、突然「山ちゃんのバイク、買っておいたから」と仲間から電話がかかってきたという山田新一さん。「冗談でしょ？」と思いつつバイク店にいくと「売約済み・山田様」と書かれたバイクがあって驚いたそう。30歳くらいまで中型バイクに乗っていたが、これを機に大型免許を取得。「やっぱりバイクは楽しいね」と笑顔を見せる。「昔に比べて乗りやすいし。風も気持ちいいし、アクセルのレスポンスもいい。バイクでしか味わえないよね」

　完山（さだやま）悦子さんは「以前から興味があって何度も免許をとろうと思ってたんです。高校生の頃、就職してから、子どもを産んだ後とか」と話す。いずれもタイミングが合わず、夫の一範さんが楽しそうにバイクに乗って出かける姿を羨ましそうに見送っていた。そして昨年、山田さんと同時期に免許を取得。「若い子に交じって教習を受けるのは少し恥ずかしかった」としつつ、今では無線で通信できるインカムで会話を楽しみながら夫婦でツーリングに出かけることも。「カーブの先に海が現れると『ワーっ』て思わず声が出たり。クルマとは別の感動がありますね」

　完山一範さんは、父親がバイクに乗っており、親戚もバイク店を営むなど、周囲の大人たちみんなが親しんでいたので、16歳で免許を取ったのも自然な流れだった。「１人でどこにでも行ける。『大人になった』って実感があった」。仕事の都合で乗れない時期もあったものの、今では存分に楽しんでいる。「バイクと一体になって走るのが爽快感。やっぱり『面白い』ってことに尽きるのかな」