自然鎮火で乗り越え
当時市街地の8割以上を焼き、450人の犠牲者を出した八王子空襲。高尾町の民家には、空襲で焼け残った祠がある。
酒販業を営む金子君夫さん(71)宅の庭に鎮座する「お稲荷さん」の祠だ。金子さんによると、空襲で焼かれたが『自然に鎮火した』とされ現在も大切に祀られている。
金子さん宅がある高尾町一帯は、中島飛行機の秘密工場があった「浅川地下壕」が狙われ、大規模な被害を受けたという。金子さんの妻、由美子さん(70)は「この辺りは全て焼けてしまい、残ったのは、うちのお社を含めて3件ほどと聞きました」と話す。
金子さん宅のお稲荷さんは江戸時代末期に祀られ、昭和初期に建て替えられたものだという。
祠は10年前に改修したが、焼けた煤の跡がある柱や軒は当時のまま残した。毎年初午の日に五色旗を掲げ、お供え物をする祭礼を代々続けている。由美子さんは「自然鎮火した話は祖父からたまたま聞いた。大変な戦火を乗り越えた縁起のいいものなので大切にしたい」と話す。
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