八王子 社会
公開日:2024.02.15
心込めた千羽鶴 ドイツへ
肥沼氏母校の学生ら制作
第二次世界大戦後のドイツで伝染病患者の治療に尽力し、多くの命を救った八王子市出身の医師・肥沼(こえぬま)信次博士。同国ヴリーツェン市にある博士の墓前に供えてもらおうと、2月7日に市民団体「Dr.肥沼の偉業を後世に伝える会」(塚本回子代表)や学生らが市役所を訪れ、市民が折った千羽鶴を初宿(しやけ)和夫市長に手渡す受領式が行われた。八王子市を通じて、ヴリーツェン市へ送付される。
思いつないで
博士の命日(3月8日)に合わせ、2015年から続けられている取り組み。コロナ禍で受領式のみ休止していたが、今年から再開した。
9回目となる今回は博士の母校である第三小学校をはじめ、四谷中学校、ヴリーツェン市内の学校と姉妹校提携を結んでいる八王子学園八王子中学校・高等学校の児童と生徒、市内の高齢者施設の利用者らが心を込めて折った約5000羽の千羽鶴が市に届けられた。中には桜並木をイメージしたものも。ヴリーツェン市に宛てたメッセージも添えられ、「博士がつないだ両市の交流と平和を願い、一羽一羽折った」「自分も博士のように優しく、笑顔を作れる人になりたい」など子どもたちの思いが日本語とドイツ語で綴られている。
受領式で塚本代表は「千羽鶴はヴリーツェン市長から『とても優雅な大使』と評された。頻繁に訪問できない私たちに代わって、八王子市民の思いを届けてほしい」と語った。初宿市長は「皆様の気持ちのこもった千羽鶴を、しっかりとお届けします」と応じ、訪れた学生たちに「今日の思いを大切にして、次の世代につないでください」と呼びかけた。
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