八王子 社会
公開日:2025.10.02
長崎原爆を忘れない
東京純心女子 平和誓う「祈りの日」
長崎に原子爆弾が投下された8月9日を登校日とし、犠牲者を追悼するとともに、戦争や平和について深く考える機会としているのが東京純心女子中学校高等学校(滝山町)の「純心祈りの日」だ。戦後80年となる今年も中学・高校の全校生徒と教職員が集い平和への誓いを新たにした。
同校の姉妹校でルーツともいえる長崎市にある純心女子高等学校は、創立10年目の1945年8月9日に壊滅的な被害を受け、214人の生徒・教職員の命が奪われた。創立者のシスター江角ヤスさんも被爆したものの学園の復興を決意。背景には、命尽きる寸前まで他者のために祈った生徒たちの立派な最期を知った遺族から「純心をなくさないでほしい」という声があったから。シスター江角さんは、この純心の精神を東京で受け継ぎ「平和な未来を創る人材を育てたい」と同校を創立したという歴史がある。
今年も祈りの日には、原爆投下の午前11時2分に全員が黙祷を捧げた。また、特別授業としてアメリカ人作家のスーザン・サザード氏が12年をかけて書き上げたノンフィクション作品『NAGASAKI-Life After Nuclear War』の翻訳者・宇治川康江さんを招き、講演が行われた。
代表生徒として平和体験文を朗読した小高夕輝さん(高2)は「(日米で原爆への)受け止め方の違いを感じた。共感できないこともあるけど、他者を理解することは大切だと思った」と話した。また、土橋こころさん(高2)は「はじめは歴史として捉えていただけだったが、今も残っている問題として考えなければいけない」と意識が変化したと話した。講演後は西田美花さん(高3)が登壇。昨年ドイツ留学時に取り組んだ核廃絶のメッセージをこめた平和活動「おりづるプロジェクト」について報告した。西田さんは「戦争に対するドイツ人の受け止め方を見て、(日本人として)自分も何かしなくてはと思った」と留学時を振り返り「平和に対して何か行動することで考えるきっかけとなる」と話した。
同校の森扶二子校長は「被爆者が亡くなっていくからこそ、ちゃんと伝えていかなければ。平和について生徒たちに能動的に考えてもらいたい」と強い思いを語った。
- 関連リンク
- 戦後80年特設サイト
ピックアップ
意見広告・議会報告
八王子 ローカルニュースの新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!











