消防団通じ成長 感謝を次代へ

　○…女性隊の隊長、また全国大会出場チームの指揮者として、年齢や経験、価値観も異なるメンバーをまとめる。「大会に関してはメンバーから何を質問されても答えられるようにしている。リーダーがしっかり把握していれば選手たちも安心して取り組めるので」と日々の心構えを語る。

　○…第七小、第七中出身。大学で社会福祉ビジネスを専攻し、高齢者福祉に関心を持った。関連する仕事に就いた際に役立てたいと「応急救護を学ぼう」と思っていたところ、回覧板で消防団の団員募集が目に留まり、在学中の19歳で入団。以来、卒業して社会に出てからも、また結婚して２児の母となってからも活動を続けてきた。２００６年の女性隊発足時からのメンバーでもある。「仕事と家庭、消防団活動の両立は家族の理解や支えがあってこそ」と、消防団の訓練がある時などに子どもを任せられる夫に感謝をにじませる。

　○…消防操法に取り組むようになったのは、入団してすぐのこと。背が高いため「向いている」と先輩に勧められた。ひたむきな性格も手伝い、１〜２年後には全国大会出場メンバーに抜擢。優勝候補に目されたが10位に留まり「それがとてもくやしくて、消防団を続けているのもそれが理由の一つ」と明かす。「後は20代前半の血気盛んだった自分を見放すことなく、手をかけて育ててくれた先輩たちへの感謝。同じことを後輩にしてあげたい」と照れくさそうにほほ笑んだ。

　○…最近の楽しみは消防団で同じ階級の同期たちとの交流。「似た悩みや自分とは違う意見が聞けて世界が開ける。ポジティブになれる」と喜ぶ。旅行など家族と過ごす時間も大切にしている。個人では海釣りや、拾ってきた雑草を庭で育てて愛でる一面も。