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公開日:2026.10.01

館クリーンセンター 焼却排ガスを利活用 産官連携で実証試験

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    館クリーンセンター

 八王子市は、2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」実現に向けた取組として、館町のごみ焼却施設「館クリーンセンター」で発生する焼却排ガスから二酸化炭素(CO2)を分離・回収・液化し、地域資源として再利用する実証試験に乗り出す。

 同施設の整備・運営を手がける株式会社神鋼環境ソリューション(本社・兵庫県)と今年8月に実証試験に関する協定を結び、東京都の補助事業にも採択された。清掃工場をCO2の「排出源」から「供給拠点」へと転換し、地域内で循環させる地産地消型の脱炭素モデル構築を目指す。

循環利用の供給網を構築

 館クリーンセンターは市内の公共施設の中で最もCO2排出量が多く、年間約1万8000トン(日量約50トン)に上る。また単なるごみ焼却施設にとどまらず、敷地内に「自然観察の森」や見学ルームを備え、市民の環境啓発の拠点としても活用されている。こうした背景から市は、焼却施設で市内に先駆けてCO2削減に取り組むことが、市が目指す2050年ゼロカーボンシティ実現に大きな意義があると判断し、焼却炉メーカーと連携した実証事業を決定した。

 事業の最大の特徴は、単に排ガスからCO2を取り除く技術検証にとどまらず、回収したCO2を地元産業や農業分野などで循環利用する「地産地消型CCUモデル」の供給網(サプライチェーン)を構築する点にある。ごみ焼却場でのCO2回収試験自体は全国に先例があるが、地域内での利活用まで一貫して検証する地産地消モデルは国内でも先進的な取組という。なお、同事業は東京都の調査事業などを活用するため、八王子市の公費負担は発生しない。

CO2の地産地消

 今後のスケジュールとしては、まず今年10月から28年3月まで「実現可能性調査」を実施する。市内や周辺地域の事業者にヒアリングを行い、回収したCO2の需要や事業化の可能性を掘り起こし、既存設備との互換性確認も行う。27年度から29年度までの3年間は、クリーンセンター内に回収設備を設置し実証試験を展開する。年間で約1000トン規模のCO2を分離・回収し、そのうち十数トン規模を液化する計画だ。小規模な実証から開始し、回収ガスの純度や品質の評価をはじめ、回収に必要なエネルギー量、設備の維持管理コストなどのデータを収集・検証していく。

 回収したCO2の使途としては「資源利用」と「直接利用」の両面を探る。資源利用では、高速炭酸化技術を用いてCO2をカルシウムを含む原料へ固定化し、建設資材などとして再利用する。直接利用では、農家の農業用温室での活用、ドライアイス製造への供給など地域需要に応じた多様な活用可能性を検証する。

 29年度中には実証試験の結果を取りまとめ、CO2回収設備の本格導入に向けた検証を行う。将来的な目標として、館クリーンセンターから排出されるCO2の実質ゼロ達成を見据える。

 担当の市資源循環施設管理課は「排出源であった清掃工場が地域資源の供給拠点へと転換する重要な一歩。脱炭素に貢献し、企業や農業での利活用を通じて地域経済の活性化や市民の環境意識向上へつなげたい」と展望を語った。

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