小学生自らが決めた理科の研究テーマを展示・発表する「平成27年度 東京都小学生科学展」(東京都教育委員会主催)が今年度初めて開催され、市立南鶴牧小学校6年生の湯浅大輝君が最優秀賞となる知事賞に輝いた。湯浅君の研究テーマは「自然の力による水質浄化のしくみについて」。2月9日から14日まで東京都美術館(台東区)で作品が展示され、湯浅君は13日に会場で発表を行う予定だ。
東京都教育委員会が主催する「東京都小学生科学展」は、小学生自らが決めたテーマについて、深く研究した成果を展示・発表することを通して、理数についての能力を高め、理科好きの児童をさらに増やすことを目的に、今年度初めて開催された。
都教委では、昨年5月から都内各区市町村で作品を募集。南鶴牧小学校では、夏休みの自由研究として提出されたものの中から、湯浅君の作品を学校代表として選出。市教委が多摩市代表として都教委に推薦した。
このように都内各区市町村からそれぞれ一人ずつ代表が選ばれ、集まった作品数は61点。その中から審査が行われ、見事湯浅君の作品「自然の力による水質浄化のしくみについて」が最優秀賞となる知事賞に輝いた。多摩市の代表として選ばれたことについて湯浅君は「聞いた時には驚いた。自分の作品でいいのかなと。他に出たい人もいたと思うけど、それだけ信用されているのかなと思って嬉しかった」と話し、知事賞受賞に関しては「すごい嬉しかった」と、あどけない笑顔でその時の心境を語った。
同校の吉田正行校長は「都内の優秀な子どもたちが様々なテーマで研究してきた中での第一席。本人の頑張った成果が認められてよかった」と喜ぶ。
4年生から継続して研究
父親が浄水場の建設等に関わる仕事に携わっていることもあり、以前から浄水場や水質調査に興味を持っていたという湯浅君。4年生の時には、下水処理場のしくみについて研究を行っていた。その延長で、下水処理の際にバクテリアや微生物が生活排水の浄化に作用していたことを学んだ経緯から、川でも同じことが起きているのではないかと考察。今回の研究を始めたという。
研究は、エサやドジョウ、砂利、水草など入れた条件の異なる5つの水槽を用意し、6日間にわたって水質を調査した結果をA3用紙2枚分にまとめた。結果は、ドジョウだけを入れた水槽の水質が一番悪化する一方で、すべてを入れた水槽は何も入れていない水槽と同様に水質が一定に保たれ、バクテリアや微生物には水質悪化を防ぐ働きがあること、自然の中には水質浄化のしくみがあることがわかったという。
湯浅君は「ドジョウが途中で脱走して一度やり直したり、実験器具が高くて大変だった。自分の予想をはるかに超える結果が出て、実験は楽しかった。今回は時間がなくて6日間しかできなかったので、機会があればもっと長い時間続けて、違う結果が得られるかどうかやってみたい」と実験を振り返った。
発表「いつも通りに」
今回の湯浅君の研究結果をはじめ、他の出品作品61点が2月9日(火)から14日(日)まで、東京都美術館(台東区)で展示される。11日と13日には、子どもたちがそれぞれ発表を行う予定で、湯浅君の発表は13日午後2時から。「緊張するけど、いつも通り頑張りたい」と抱負を語った。
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