自分が薦める本を紹介し合い、聴衆がどの本を読みたくなったかを決める「ビブリオバトル」。全国各地の中学生たちが出場する「全国中学ビブリオバトル決勝大会」が3月28日、上智大学(千代田区)で行われ、市立青陵中学校2年生の阿部心暖(こころ)さんが3位となる優秀賞に輝いた。阿部さんの姉・涼夏さんも昨年の中学選抜大会で同じく優秀賞を獲得しており、姉妹で2年連続の快挙を成し遂げた。
活字文化推進会議(千代田区)が主催して行われた同大会。昨年まで「中学選抜ビブリオバトル東京大会」と称して行われていたが、名称を変更。第1回大会として大阪、徳島、大分など各府県を勝ち抜いてきた中学生と、首都圏の中学生計37人が参加して行われた。
バスケットボール部に所属し、日頃から本を読むのが好きだという阿部さん。姉の涼夏さんが優秀賞を受賞した昨年の大会を観に行き「おもしろそうだな」と思っていたという。そうした中で、昨年秋に校内予選が行われることになり、紹介本を探した。ある新聞で作家・辻堂ゆめの特集を見て「読みたい」と思ったのが『いなくなった私へ』(宝島社)だった。同作品は、謎の死を遂げたシンガーソングライターの女性がその真相を探っていくという内容。その本で校内予選に出場し予選を突破。決勝へと駒を進め、優勝した。
もともと発表が苦手だったという阿部さん。「相手に聞きやすいように、聞く人を見ながら、本の魅力をわかりやすく伝えるようにした。まさか自分が選ばれるとは思っていなかった」と当時を振り返る。同校代表として、全国大会への出場を応募。選考に合格し、出場が決まった。
全国大会に向けて、学校や自宅で発表の練習を重ねる中、姉の涼夏さんからは「抑揚をつけた方が良い」などのアドバイスをもらったという。そうして迎えた全国大会は、8グループに分かれて予選が行われた。予選グループを1位で勝ち抜き、進んだ準決勝でも聴衆の支持を得て決勝進出を決めた。「最初の予選の時は緊張でガチガチだった。勝って楽しくなって余裕を持って発表ができた」と阿部さん。
4人で争われた決勝でも堂々と発表を行い、3位となる優秀賞に輝いた。「信じられない気持ち。決勝はみんなうまい人ばかりだったので、悔しいというより決勝まで行けたことが嬉しかった」と喜びを語る。重ねて「決勝まで行けたのは、自分の力だけでなく、先生方や家族が支えてくれたお蔭。みんなに感謝の気持ちでいっぱい」と笑みを浮かべながら、「今年もまた予選に出たい」と今後の抱負を語った。
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