生活協同組合パルシステム東京(新宿区・野々山理恵子理事長)は4月22日、多摩市社会福祉協議会の協力を得て、パルシステム東京多摩センター(南野)で一般家庭に配達する野菜の余剰分をNPO法人フードバンクTAMA(神山治之理事長)に寄贈した。野菜は同団体を通じて、市内を中心に「子ども食堂」「誰でも食堂」を運営する10団体と支援を必要とする2世帯に提供された。また同日、両者で寄贈に関する合意書を取り交わした。今後は試行的に月に一度、同センターで配布を行っていく予定だという。
パルシステム東京は、「食べもの」「地球環境」「人」を大切にした「社会」をつくることを理念とし、安全で安心な食材を提供する生協(=COOP)として活動を行っている。
一方、多摩市社会福祉協議会では、以前から家庭で余っている食品を寄付してもらい、生活に困窮している世帯や、フードバンク団体、市内で「子ども食堂」や「誰でも食堂」を運営している団体等に寄付するフードドライブの取り組みを行っており、パルシステム東京も協力している。
そうした中、パルシステム東京は、宅配サービス事業で注文を受けた分よりもゆとりを持って仕入れていることから、その余剰分の活用を検討していたところ、つきあいのある多摩社協に相談。それを受けた社協では、多摩市や日野市を中心にフードバンクの活動を行っているNPO法人フードバンクTAMAを紹介し、同団体を通じて、市内で「子ども食堂」「誰でも食堂」を運営する団体や支援を必要としている家庭に配布されることとなった。
「支援ありがたい」
その第1回の配布が4月22日、配送センターがあるパルシステム東京多摩センターで行われた。この日、パルシステム東京から提供されたのは、柑橘系果物や、ホウレンソウ、ミニトマト、マッシュルームなどの野菜。これらを事前にフードバンクTAMAに登録している団体が同センターを訪れ、受け取った。聖蹟桜ヶ丘駅近くで、子ども食堂を運営しているピンクララタマの玉内智美さんは「普段、野菜や肉は仕入れが厳しいので、提供いただけてありがたい。新鮮なものばかりで嬉しい」と喜んでいた。
パルシステム東京の松野玲子常任理事は「生協として地域と一緒になってやっていきたいという思いがある。寄贈するのは、力を入れている商品。納得した使い方を検討している中で、困っている方々のためにと今回の取り組みにつながった。パルシステム東京としては今回が初めての取り組み。地域づくりのひとつとして今後も力になれたら」と話している。
フードバンクTAMAの奥野知秀さんは「こうして新鮮な野菜を寄贈してもらえると、育ち盛りの子どもたちはみんな喜んでくれる。パルシステム東京さんのような大きな団体が社会支援をしてくれるのは本当にありがたい」と話している。
今後は、試行的に月に一度、毎月第4月曜日に同センターでフードバンクTAMAに登録された団体や世帯に配布(一部配送)を行っていく予定だという。
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