多摩市立落合中学校(権藤義彦校長)陸上部3年生の二村優里香さんが9月1日、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で行われた「第50回ジュニアオリンピック陸上競技大会」の東京都代表選手最終選考会の女子砲丸投げで優勝した。この結果、10月11日から13日まで等々力陸上競技場(川崎市)で行われる同競技大会に出場することが決まった。二村さんは「夏の全国大会に出場できなかったのでその悔しさをぶつけた結果。ベストを尽くしたい」と意気込みを語った。
中学生年代の全国規模の大会は、毎年夏に行われる「全日本中学校陸上競技選手権大会」(以下全中)と、毎年秋に行われる「ジュニアオリンピック陸上競技大会」(以下JO)が二大大会として挙げられる。
「全中」は、東京都総合体育大会と全日本中学通信陸上のどちらかの大会で、全国標準記録を突破しないと出場することができない。一方「JO」は、大会で定められた標準記録を超える選手だけが出場でき、全中よりも高い全国標準記録を突破するか、各都道府県選考会の優勝者しか出場することができない大会だ。
二村さんは、全中の予選となった総合体育大会と通信陸上で、最高12m44cmで3位と、全国標準記録に惜しくも6cm届かず全国大会へ出場することはできなかった。目標としていた大会への出場を逃し、同校の同級生である大谷優斗さん、山崎花菜子さんがハードルで出場していたため、「悔しかった」と涙を流した。
その直後からJO出場を目標に掲げ、練習に取り組んできた。JOは、普段使っている2・721kgの重さの砲丸ではなく、高校生以上が使用する4kgで競われる。重さの異なる砲丸での練習は、従来と感覚が異なり「慣れるのに大変だった」と言い、特に後ろ側から助走をつけて投げるグライド投法の速さと体の高さを意識してきたという。
9月1日に行われた最終選考会では「4kgで試合に出たことがなかったので、どれだけの記録が出せるか不安だった」と話すものの、6回の投擲の中で9m55cmを記録。JO出場への標準記録となる11m20cmには届かなかったが、見事優勝し、全国の強豪が集まる本選への出場を決めた。「全中に出られなかった悔しさをぶつけて練習してきた結果なので、全国大会への出場が決まって嬉しい」と笑顔で話す。
ベストパフォーマンスを
もともと短距離走に取り組んでいた二村さん。1年生の時に砲丸投げに転向した。「記録が伸びなかった時に、先生に勧められた。最初は本気ではなかったけど、身長の高さ(167cm)を活かせるので自分に合っていると感じた」と練習を重ねていくうちに、記録が伸び「はまった時に飛ぶ。その感触が楽しい」と競技にのめりこんでいった。
2年生の冬には、東京都強化指定選手に選ばれた。学校の練習だけでなく、都内トップレベルの選手たちとも練習を重ね、研鑽を積んできた。中学生活最後の大きな大会で、自身初となる全国への切符を掴んだ。顧問の横山高志教諭は「すごく真面目で努力してきた。中学生の中では基本に忠実な投げ方でフォームが綺麗。まだまだ伸びしろがある。大会までに記録を伸ばしていってほしい」と評し、エールを送る。
二村さんは「選考会の結果には納得していない。そこでできなかったことを改善して、全国大会でベストなパフォーマンスができるようにしていきたい」と抱負を語り、本番での入賞を目指す。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|