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多摩 人物風土記

公開日:2020.06.25

「シニアのためのボランティア・地域活動ハンドブック」のイラストを手掛けた
平田 真利恵さん
中沢在住 42歳

「当たり前の社会」が夢

 ○…多摩ボランティア・市民活動支援センターがシニア向けに発行している「ボランティア・地域活動ハンドブック」。そこに描かれた数々のイラストをタブレット端末で切り絵のように貼り付けながら作成した。「誰が見ても共通認識を持てるように描いた。最後まで読んでボランティアや地域活動に興味を持ってもらえれば」と声を弾ませる。

 ○…宮崎県出身。生まれてすぐに体に異常が見つかり脳性麻痺の後遺症が残った。思うように体が動かず外遊びができなかったため、絵を描くことが好きになった。高校まで特別支援学校に通い、その後親元を離れて施設に入居。全国の障害者団体を回っていた時に多摩市の団体を勧められた。「重度の障害を持ちながら地域で自分らしくいきいき暮らしている姿を見て、ここに来たいと思った」と上京した。

 ○…現在は様々な場所で障害や車いす、介助者についての講演活動を行っている。「生活を支えてくれる人の仕事がまだまだ浸透していない。いろいろな工夫をしながら人の助けを借りて生活していることを伝えたい」と熱く語る。イラストの仕事もしており、タブレット端末が普及したことで以前よりも作業がしやすくなった。「全然世界が違う。独学で限界があるけど、いろいろなジャンルを描きたいですね」と笑顔で語る。

 ○…現在の活動を今後も続けていく予定だが「いずれは講演を行わなくても障害や国籍が特別なものでなく当たり前の社会になってほしい」と願う。同じように障害を持ち特別支援学校に通う子どもたちに、自分の姿、経験、活動を知ってもらうことで少しでも将来の役に立ちたいという思いも抱く。そうした「夢」の実現のためにこれからも走り続ける。

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