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多摩 トップニュース社会

公開日:2022.03.31

市内音訳グループ
「新人獲得」苦戦 存続に影響
コロナ禍で 高齢化も直面

  • 音訳に取り組む代表の銭廣さん

  • 会のメンバーら(右が銭廣さん)

 永山を拠点に活動する音訳のボランティアグループ「繭」が新人メンバーの獲得に苦戦している。多摩市の広報紙や市議会だよりなど生活に欠かせない情報を音声に変換し、視覚障害者など目の不自由な人に提供している同グループ。コロナの感染拡大により、募集活動が十分に行えないなか、メンバーの高齢化という問題にも直面している。

 同会の設立は1991年。市内で活動する1つの音訳グループから独立する形で結成し、多摩で生活するにあたって必要となる情報の音訳のほか、依頼を受けた書籍、雑誌などを担当。当初はカセットテープ、現在はCDにして目の不自由な人に送り届けている。

 メンバーは口コミなどもあり、増加。2000年前後には100人を超えるように。行政の発行物などしか対応しない音訳グループが多いなか、繭は依頼を受ければ、取扱説明書でも対応するなど、音訳を希望する人たちからの信頼を集めてきた。およそ20年にわたり、繭から音訳されたものを受けてきた市内在住の瀬尾敏也さんは「音楽関連の雑誌などの音訳をお願いしてきた。私にとって無くてはならない存在。他のグループでは不可のものでも対応してくれる」と話す。

減少傾向

 そんな繭が新しいメンバーの獲得に苦しむようになったのは、コロナの感染拡大が広がって以来。開いていた新人向けの講座が三密回避のため、開催できず、活動を知ってもらう機会を失ってしまったことが大きい。

 感染拡大が広がる前の19年初めには実質約40人が活動していたものの、高齢のために会を後にするメンバーがこの数年で10人ほど出るなど、メンバーは減少傾向にあるという。

 代表を務める銭廣芳子さんは「メンバーの平均年齢は70代前半ぐらいでしょうか。若い人たちに加わってもらいたい。それぞれの自宅でできるボランティア。学生さんなどにも興味をもってもらえれば」と力を込める。

 そんななか、繭ではようやく4月に新人向けの講座を開く目途が立ったという。4月22日(金)の事前説明会から、全5回にわたる「視覚障がい者のための音訳ボランティア新人養成講座」。先着15人で費用は千円。4月15日(金)までに繭【電話】042・339・3063(火曜・午後1時から4時)。メールは【メール】tamamayu8@nifty.com。

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