多摩市出身の楠瀬祐子さん(43)が42・195キロのフルマラソン以上の距離を走るウルトラマラソンのランナーとして活躍している。国内の大会で優勝を重ね、2018年には日本代表として、100キロの世界選手権に出場し6位入賞。練習日誌として活用しているブログには多くのファンがつき、ジャンル別の閲覧数で上位をキープし続けている。
都内百貨店の情報システム部門に勤務し、フルタイムで働くなか、就業後や休日に練習を重ねている楠瀬さん。30歳の時に職場の忘年会でランニング愛好者が集まる駅伝大会に誘われ出場したことをきっかけに走り出すようになった。
元々、1つのことにのめり込む性格。年々練習量が増えていき、10キロ、ハーフマラソン、フルマラソンなどのレースに出場しては毎年のように自己ベストを更新し続け、気づけば各大会で上位争いに加わる実力に。
そして、ウルトラマラソンと出会うと強みであるスタミナを生かし、18年には100キロの世界大会・日本代表に選出され、6位入賞。女子日本チームの団体戦、金メダル獲得に貢献した。
「長距離レースは競うものというよりも自分との闘い。目標に向け、1つ1つの課題を解決していくプロセスを楽しめるところも魅力」とこれまでを振り返る楠瀬さん。走り始めて「人生に潤いができました」と笑顔をみせる。
「ストイック」が人気
一方で、楠瀬さんは人気ブロガーの顔をもつ。練習日誌代わりにブログを始めると徐々に読者が増えていき、ブログを運営する民間会社が発表するジャンル別のランキングで上位をキープし続けている。
「40キロ走」「合宿」「筋力トレーニング」--など、市民ランナーとは思えないストイックな練習内容にランニング愛好者らを中心に引きつけられているようだ。
「ブログを見ています」と声をかけられることが増えているという楠瀬さんは「通っていた貝取中学校の時、陸上部に所属していたが、上を目指そうという雰囲気の部ではなく、完全燃焼することができなかった。高校や大学の時も同様で、その反動が今来ているのかもしれません」とストイックに追い込むことを楽しめる理由を語る。
悔しい思いも
そんな充実した日々を送る楠瀬さんにも先月、悔しい思いをすることがあった。
今年8月に開かれる100キロ世界大会の日本代表を決める選考会で痛めていた足の故障が再発して途中棄権することに。予定されていた選考レースがコロナの影響で中止となり、前倒しでの挑戦になったことから、急ピッチで調整してきたことが災いした。
「残念でしたが、18年の世界大会に一緒に出場した選手など、仲間が選考会では快走した。同じ志しの仲間が結果を出せたことがうれしかった」と楠瀬さん。そして、早くも2年後の世界大会を目指し、始動し始めたという。
「足を故障してるので、自転車を漕いだり、水泳を初めて練習に取り入れるなどしています」と笑顔で話し、「多摩の坂によって身体が鍛えられたことが、今につながっていると思う。これからも可能な限り走り続けていけたら、と思います」
![]() 金メダルを獲得し、仲間と登壇(右=提供写真)
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![]() 長いストライドで走る楠瀬さん
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