多摩市民になじみ深い京王線を走る通勤形の電車、京王8000系が今年、運行30周年を迎えた。車体に京王レッド、ブルーと呼ばれる2本の帯がデザインされた電車は軽量化、バリアフリーが進んだ「優等生」として現在も京王線の主力として走り続けている。
運行開始は1992年3月。京王線を管理する京王電鉄(関戸)が当時進めていた調布(調布市)-橋本(神奈川県相模原市)間を走る京王相模原線の全線開通などを見込み、大幅に運行を増やす計画のなか、輸送力増強を目的に導入された。
電気を制御し、省エネ走行を可能にする「VVVFインバータ制御装置」と呼ばれる現在も主流となっている装置が採用され、器機のコンパクト化による軽量化や車いすスペースの設置など、バリアフリーにも対応し、それまでの7000系に比べ、機能面が大きく向上した新しい「京王の顔」としての期待を受けての運行開始だった。
乗降客が増え続けた90年代から2000年代へと期待を受けた優等生は機能面で大きなトラブルなく走り続け、以前よりも車体が大きくなり、窓スペースが広がったことから生まれた解放感は乗客に喜ばれた。
当初から、8000系の整備にあたってきた同社の鉄道部門に所属する西川透さんは「この電車から画期的に整備するのが楽になった記憶がある。自動車で例えるのなら、マニュアルからオートマチック車に代わったような感じ。我々の負担を減らしてくれた」と振り返る。
電車マニアでもあるという同じく同社の鉄道部門で働く西畠卓さんは「電車愛好者のなかでも人気の高い電車と思う。電車のイベントで8000系にほおずりしていた親子をみたことがある」と笑顔になる。
現在も主力
同社によると、8000系は30周年を迎えたものの、当面現役として走り続けていく予定という。
9000系など、新しいタイプの電車が生まれているが、同社広報担当の坪井繁佳さんは「改修を重ねながら、現在も主力の位置づけ。高尾山(八王子市)へ向かう車体が緑色にラッピングされた8000系も走っています」と説明する。
一方、同社では先月から、同系の30周年を記念した企画を開始しているが、記念乗車券などは人気といい、「9月中旬ごろまで、記念のヘッドマークをつけた車両が登場する。そちらも楽しんでもらえればと思います」と同社は話している。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|