市内でＪＯ Ｓｔｕｄｉｏ広林太極拳クラブ（鶴牧）を主宰する徐 広林（じょ こうりん）さんが７月15日、東京体育館で行われた第40回全日本武術太極拳選手権大会に出場し、太極剣・刀の部で初優勝を果たした。徐さんは市内で20年にわたり太極拳の普及に努めている。

　公益社団法人日本武術太極拳連盟が主催する全日本選手権大会は武術太極拳各種目の日本一を競う大会として３日間にかけて行われた。徐さんが優勝した太極剣・刀の部には全国から46人が出場した。空手の型のような種目で４分以内の演舞を披露し審判のつける点数により順位を競う。

　徐さんはこれまで３回出場してきたが最高順位が６位となかなか上位の選手を上回ることが出来なかった。しかし、新型コロナの影響による中止などから４年ぶりの出場となった徐さんは、この間に行われた厳格審査といったルール変更やコンディションの良さなどから高得点を出し、シード選手らを上回り日本一に輝いた。徐さんは「とてもうれしい。コロナ禍でも目標を持って練習を続けてきたことが結果になったと思う」と喜びを表した。

　徐さんは中国の出身。柔道の強化選手に選ばれるなど武術を極めてきた。日本の武道に興味を持つと国士舘大学大学院に留学しスポーツ・システム研究科で博士号を取得した。その後、太極拳を広めようと市内で教え始め今年で20年になる。その中で、参加しやすい大会を開きたいと思った徐さんは自らが主催する大会「東京国際武術節」を創設。今年６月には第４回目の大会を開催した。今年はＪＯ Ｓｔｕｄｉｏを開いてから10周年を迎えており、10月には多摩市立武道館で記念式典を開く。徐さんは「これからも太極拳を広めていきたい」と語った。