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公開日:2024.02.01

多摩商工会議所
「宇宙桜(そらざくら)」記念誌を市に寄贈
植樹10周年を機に発行

  • 記念誌を手にする(左から)千葉教育長、阿部市長、伊野会頭

 「多摩桜プロジェクト」を推進する多摩商工会議所(伊野弘明会頭)は、宇宙を旅した「宇宙桜(そらざくら)」の植樹10周年を記念した記念誌を発行した。この記念誌を市に500冊寄贈することになり、1月26日に市役所で贈呈式が行われた。

小中学校等に500冊

 贈呈式には同会議所から伊野会頭のほか、須崎覚専務理事、守屋雅子業務課主任が出席、市からは阿部裕行市長や千葉正法教育長らが参加した。伊野会頭から目録や記念誌が阿部市長などに手渡された。

 記念誌は、宇宙桜が2013年に都立桜ヶ丘公園に植樹して10周年が経ったことから発行されたもの。宇宙桜の年表や桜ヶ丘公園のマップ、各桜の紹介などが掲載されている。市内小中学校の各クラスに一冊ずつと市立図書館などに贈られるという。

桜の種が宇宙に

 宇宙桜は08年11月、スペースシャトルに搭乗した若田光一宇宙飛行士が宇宙に持参し、旅した桜の種から咲いた桜のことを指す。この種は全国14か所で市民や子どもたちにより採取されたもの。翌年の7月、地球を約4100周して戻ってきた。

 13年3月、岡山県や高知県など各地から寄贈された4種類の桜「醍醐桜」「稚木の桜」「ひょうたん桜」「三春滝桜」を桜ヶ丘公園に植樹した。20年には5番目の桜「高桑星桜」が植樹され同公園では14種類中5種類の宇宙桜が見られることになった。今では大きく成長し、毎年花を咲かせているという。

桜ヶ丘公園が聖地

 贈呈式で伊野会頭は「皆さまのご協力のおかげで細かった苗木は大きく成長し、春には見事な桜を開花させております。5種類の宇宙桜を1か所で鑑賞できるのは多摩市だけ。まさに宇宙桜の聖地として全国に発信できる観光資源です。この記念誌を通じて、未来を担う小中学生に宇宙桜のことを広く知ってもらいたい」とあいさつした。

 阿部市長は「私も桜の時期が来ると毎年見に行っている。宇宙桜の企画には夢がある。引き続き桜ウォークなどを通して桜の魅力を広めてほしい」と話した。千葉教育長は「記念誌を子どもたちが手に取ることで、自分の可能性を種の成長と重ね合わせ、大きく成長することを願っている」と話した。

国際交流などに貢献

 同会議所は08年2月に多摩桜プロジェクトを立ち上げ、多摩の山桜の保存と育成、宇宙桜による創造プロジェクトを中核事業とし、桜によるまちづくりを推進している。

 市内で桜の種の採取や種まき、写真展のほか、市内の桜の名所を巡る「多摩桜ウォーク」などを行い、まちを盛り上げてきた。また、ワシントンの桜100周年記念事業として、採取した種をワシントンに寄贈したり、全米桜の女王を招くなど国際交流にも貢献。東日本大震災が起きた際には、福島県南相馬市へ稚木の桜を送るなど被災地を励ます活動も行っている。

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