一般社団法人ゆめまるエデュケーションデザインの代表理事を務める 新堀 貴子さん 八王子市在住 44歳
仲間と永く走り続けたい
○…不登校や行き渋りの小中学生を対象に毎週金曜日、諏訪・永山地域を拠点にほぼ一日かけて学びの場を提供する「小さなイエナスクール ゆめまる」を運営する。オランダで浸透し、子どもの自主性に任せるイエナプラン教育の実践の場として2020年に立ち上げ5年目を迎えた。訪れる15人ほどの児童生徒を相手にする。「必要とされていることがやりがい。一日にすべての力を注いでいます」と苦笑する。
○…大学卒業後、都の教諭として小学校に勤務。その時に出会ったのがイエナプラン。授業スタイルを変えた時「子どもたちが目を輝かせて勉強しだした」と振り返る。より学びたいと教諭をやめオランダに渡ろうと思った矢先、コロナ禍に。「暇になったから」とゆめまるを立ち上げた。保護者から「永続的な運営を」との声を受け一般社団法人に。「胸を張って活動できます」
○…学生時代、アクアブルー多摩のスタッフとして働いていた時に夫と出会い、現在は小学生と高校生の兄弟を育てる。兄弟はサッカーに夢中で、兄は世代の日本代表に選ばれるほど。「ゆめまるとの両立は大変」と笑うが、心を落ち着かせる時は絵本を読むという。「音読すると気持ちが和らぐ。使われている言葉が優しくて胸に入ってきますね」
○…ゆめまるを立ちげる際、仲間と5時間ほどかけて名前を考えたという。「船の名前のような夢丸をひらがにしたら、しっくりきた。みんなで丸くなって夢を語る。船のイメージでイエナプランのエッセンスを波紋のように広げられたら」。一緒に運営するスタッフに対する信頼は厚い。「みんな勉強して本当にすごいんです。道のりは険しいかもしれませんが10周年までは走りたい」と力強く語った。