講演会「多摩市旧落合村地域の歴史」に登壇した 寺沢 史さん 愛宕在住 89歳
多摩での歩みを後世に
○…地元商店会や自治連が共催した講演会に登壇。160人以上の来場者を前に約2時間、旧落合村や多摩市、ニュータウンの歴史などについて語った。「集会所のような小さな場所でやると思ったら、ホールを使い大勢の方の前で話すことになったので慌てました」と振り返るが、家族や商店会関係者が手伝いをしてくれて準備を万全にした。「話を飛ばしてしまうこともあったが伝えたいことは話せたと思う。ほっとしました」と満足した表情を見せる。
○…大学卒業後、出版社や私学に勤務した後、都の教諭になり八丈島の中学へ。その後、多摩市に戻り主に稲城市の中学で社会を教え、同市の教育長まで務めた。その中で、ニュータウンの開発に伴い人口は増加。「教育長時代に新しい小中学校を作ったという仕事が思い出に残っています」
○…東京府南多摩郡多摩村、現在の自宅に生まれる。「木々が豊富な家で梅や桜、柿の木に囲まれて育った」。中学や高校には聖蹟桜ヶ丘駅まで約4キロの道のりを徒歩などで通った。立川高校では新聞委員会の3代目編集長を務め、現在は1000号近くまで発行が続いている「立高新聞」の第10号から携わった。ラグビー観戦、読書、陶磁器の収集が趣味。「旅行もよく行きます。47都道府県、陶磁器の窯元を訪れるのが好きですね」
○…夫人を亡くして3年ほど経つ。「こんな田舎に来て一緒に家を守ってくれました」と寂しさをにじませるが、今は、家族や友人の存在が支えになっている。立川高校の同期会に携わり、今も顔を合わせることも。講演会には教え子も訪れたという。「書くことも昔から好きなので、まとめたものを世に出して残すことができたら」。自身の集大成をまとめようと精力的に活動を続ける。