多摩市は6月1日、大規模災害発生時におけるITインフラの確保を強化しようと、通信事業者・株式会社トレミール(茶谷幸司代表取締役)と災害時通信機器レンタル協定を締結した。自治体機能が被災した時に市の業務体制を継続させるため、同社から迅速に通信機器を得られるという仕組み。
同社は有事の際に事業継続危機に直結する通信について総合的にカバーする通信機器セットを定額で利用できる通信インフラBCPサービス「DIP-Box」を扱っている。インフラBCPは、自然災害や緊急事態が発生した際に、企業・自治体などの重要インフラを保護し、迅速に復旧させるための計画。
多摩市では今回の導入について、衛星通信などの確保により被災した庁舎や避難所、仮設庁舎などに通信環境を構えることができる点や機器を必要な時だけ借りることでコスト削減などのメリットを挙げている。同社との同様の協定は、都内では小金井市についで2例目となる。
充電器など提供
実際に提供される通信機器は、数千機の衛星を低軌道に配置し、高速のインターネット接続を世界中に提供することが可能なスターリンク、衛星携帯電話、Wi-Fiルーター、GPS端末、ソーラー充電器などとなっている。災害時にインフラが止まってしまった場合、要請に応じてチャーター便で機器を配送する。多摩市の場合は、大田区平和島にある同社の倉庫から運び出される想定になっている。
協定式には阿部裕行市長、同社の名取知彦取締役副社長と白岩凌さんらが出席した。名取副社長は「年々、防災の意識が高まる中、みなさん備蓄といった準備はしておりますが、通信に関してはまだまだ課題が多く、ライフラインの重要性は今後増していく。今回の協定で災害時の通信の不安を払しょくしたい」と話した。
阿部市長は「日本は災害大国。首都圏においては首都直下型震災が危惧される中、災害時にインフラをどう構築していくかが大きなテーマになる。現在は、企業や市民のみなさん、市役所も通信に頼らなければならない状況にある。今回インターネットを中心とした通信インフラを災害の時に自治体として使えるはありがたい」と述べた。
![]() 提供されるスターリンク(左)や充電器などの機器
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