有鹿小 開校50周年タイムカプセル事業 「思い出」を「発掘」 来年1月 成人式会場で配布
有鹿小学校(遠藤純二校長)で11月9日、校庭の西端にある校歌碑の元に埋設されていた「タイムカプセル」が掘り起こされた。同校の児童と地域住民らが触れ合う伝統行事「あるかの森」が催されたこの日、在校生が見守る中、カプセルが引き上げられると、歓声に包まれた。
タイムカプセルは同校が開校50周年を迎えた2006年2月11日に埋設。ジュラルミン製のカプセル内には当時の全校児童592人がそれぞれ、「20歳の自分」へ宛てた手紙が収められた。
当時6年生だった子どもたちは来年1月に成人式を迎える。この会場にブースを設置し、8年前にしたためた手紙を届けようと、当時の実行委員らが再集結したこの日、当時を懐かしみながらも、カプセルへの水の侵入がないかと心配する姿も。
当時、実行委員長を務めた星谷和成さんも「何重にも包み、頑丈に封をしてあるから、大丈夫だとは思うけど、開けてみないとね」と落ち着かない。
さざれ石の碑の元に埋設
カプセルは校歌碑の元に埋められている。校歌を刻んだ銘板が埋め込まれている石は非常に希少な名石「さざれ石」なのだ。「君が代」にも詠まれ、現在は発掘自体が禁止されている「さざれ石」は長い年月をかけ、雨水などで溶けだした石灰分が、大小さまざまな石を繋ぎ合わせひとつの岩石を形成する。
この小石を50年の間に同校の歴史に携わった人々となぞらえ、碑石に選定。自身も同校を卒業し家業の石材店を継いでいた望月忠由さんが碑の製作にあたった。望月さんによると当時も既に希少な石であったため、業者での扱いも2石しかなかったという。
静寂から歓声
さざれ石の碑の前に集まった在校生の多くはこの場所にタイムカプセルが埋設されていることを知らなかったようだ。
石版が取り除かれた穴から銀色に輝くジュラルミン製の重厚なカプセルが姿を見せ、10本ほどのボルトが外されると、固唾を呑むかのように静寂が辺りを支配した。カプセルから学年ごとに収められたファイルを取り出した星谷さんが「全く傷んでいない」と浸水などがないことを確認すると歓声に包まれた。
「しっかり届ける」
星谷さんは「状態がよくホッとした。『思い出』の詰まったこの手紙を子どもたちに届けるところまで、しっかりやりたい」と話した。今後は来年1月の成人式でブースを出展し当時6年生だった「送り主」に8年越しの手紙を届ける予定で、次年度以降も成人式会場で配る計画だという。
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