神奈川県内では海老名市中新田にのみ自生が確認されていたスイレン科の植物「河骨」。中新田から北部公園近くの産川(さんかわ)せせらぎ公園へと移植した河骨が現在、直径5cmほどの可憐な黄色い花を咲かせている。
絶滅のおそれのある生物種をとりあげ、自然の保護における優先順位を決定する手助けとなる種の分布や生息状況などの情報をまとめた「神奈川県レッドデータブック」によると、河骨はごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いものと分類される絶滅危惧IA類に分類されている。
河骨は多年草の水草で、水中葉と水上葉に分かれて繁茂するのが特徴。水底の泥に這う白い根茎が骨のように見えることから「河」の「骨」と呼ばれるこの植物は、根茎に利尿薬のような効果があるとされ、中新田地区では漢方薬として重宝された時代もあるという。
中新田の放水路に生息が発見されていたが、周辺地域の土地開発の影響など環境変化が原因で徐々に株数は減少。さらに放水路は冬以外水位が高く、水の勢いも激しく生息困難な状況の中、河骨を採取している人がいることを発見したことをきっかけに、絶滅を防ぐため地元自治会や中新田小学校関係者らが2002年に「河骨保護の会」を設立させ、保護活動を始めた。
2008年には自生地だった水路の護岸工事を受けて自生地の環境に近い貫抜川や中新田小学校、今福薬医門、産川せせらぎ公園に約170株を移植。花を開いた「河骨」はこのときの移植株に由来する。
「河骨保護の会」の高山清会長は「他の場所でも間もなく開花が見られ、9月頃まで楽しめる。この機会に多くの人に知って頂ければ」と話している。
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