海老名市は7月から、認知症の高齢者が徘徊時に起こす事故等に備えた保険を公費負担する「高齢者(認知症)あんしん補償事業」を始めた。県内では大和市に次いで2例目。
認知症の症状のひとつに、記憶や見当識障害からくる徘徊行動がある。2007年には、愛知県で徘徊中の認知症男性が線路内に立ち入る鉄道事故があり、家族に約720万円の損害賠償が求められた。
小田急・相鉄・JR相模線の3鉄道が走る海老名市は、こうした事故が起こりやすい可能性を踏まえた上で、介護者の精神的・経済的負担を軽減する目的で同事業をスタートさせた。
今回の取組みでは、市から委託を受けた市社会福祉協議会が保険契約者となり、「個人賠償責任保険特約付き傷害保険」に加入。損害を受けた第三者へは最大3億円(個人賠償責任保険)、本人が死傷したり後遺症が残った場合には最大82万5000円(傷害死亡・後遺症障がい保険)を補償する。被保険者本人の保険料負担はない。
加入の条件は、「はいかいSOSネットワークシステム」に登録していること。これは、事前に徘徊の可能性のあるおおむね65歳以上の高齢者情報を登録しておくことで、緊急時に市・海老名警察・保健福祉事務所の3者が捜索できるシステム。費用は無料。6月15日時点で登録している市内55人は自動的に同保険に加入済みとなる。
市内で認知症の夫を介護する女性は「家の近くに線路があり、以前から事故を心配していた。24時間見ているのは難しいので、もしものときの不安や心配が軽減された」と安堵の声を漏らした。市の担当課は「適用事例がないのが望ましいが、万が一に備え、家族に安心を提供できたら」と話している。
問合せは市地域包括ケア推進課【電話】046・235・4950へ。
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