かながわブランドに登録された「湘南梨」の組合連合会会長を務める 吉川勝久さん 大和市渋谷在住 55歳
正直に梨と向き合う
○…祖父が創設メンバーでもある湘南梨組合連合会の会長を務める。会は今年で創設61年目。新型コロナウイルスの影響で、今年初めて湘南梨の品評会は中止に。「自分が会長の時に…」と端正な顔が悔しさでゆがんだ。かながわブランドの登録をきっかけに、歴史ある「湘南梨」のブランド力をさらに上げたいと意気込む。「販売チャンネルを増やし、選ばれる梨に」が目標だ。
○…梨の収穫はこれからがまさに最盛期。朝4時半に起き、5時から約2時間かけて収穫。ピーク時には、梨が30キログラム入るコンテナが1日で9つ満載になる。大きさや形など選別をして10時までに自身の果樹園の店頭に陳列。そんな毎日が9月下旬まで続く。
○…もともとは野菜中心の農家だった。今は亡き父が、中学を卒業して程なく、祖父に果樹生産を提案。始めたのが梨だった。自身も農業高校を卒業後、アメリカなどでの海外研修を経て、父のもとへ。「植物は正直に向き合えば、正直に返してくれる」。父が背中で教えてくれた梨との向き合い方。今でも肝に銘じている。
○…2年前に心房細動の手術をして以降は、食事を中心に、体調には特に気を遣う。以前は、娘さんが「甘過ぎ」と残してしまうようなスイーツもペロリと平らげる「大の甘党」だったが、今は自粛。「あと10年くらいは梨、続けたいので。やっぱり身体が元気でないと」と自分に言い聞かせる。筋骨隆々な農家のイメージとは違う、細身のシルエットが印象的。「タニタの体重計は『体内年齢41歳』と出ますよ」と得意げに教えてくれた。「トラックの荷台から降りる姿は、いつまでも颯爽としていたい。周りにどう見えているかは別として」。そういって照れ臭そうに笑った。
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