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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2025.11.21

被爆二世の語り部として、11月18日に平和を訴える講演を行った
山本 緑さん
座間市立野台在住 71歳

信念を胸に、平和を語る

 ○…2年前に亡くなった母の遺志を継ぎ、被爆二世の語り部として、平和の尊さを伝える。「理解を深め、考えるきっかけにしてもらおう」と、11月18日に開かれた講演会では母の体験に加えて、戦時中の世界情勢や現在起きている戦争の状況にも触れた。「平和を訴えることは母から課せられた使命。思いが伝わればうれしい」と話す。

 ○…広島県呉市出身。父が転勤族で、小学6年で横浜へ転居した。内気な性格だったが中学の時、軟式テニスで県大会優勝。以降、「やればできる」と前向きになった。短大卒業後は栄養士として働くも27歳で退職。父のイギリス転勤に同行した。「好奇心を抑えられなかった。お惣菜を買って周り、料理教室に通ったのはいい思い出」とほほ笑む。帰国後に結婚し子育てを機に35歳で座間に引っ越した。

 ○…母が被爆者だということは知っていたが、直接体験を聞くことはなかった。6年前、母が90歳の時にインタビューの依頼を受け、その場に同席した。「初めて聞いた街や病院での体験、亡くなった叔母の話。自身の無知さを痛感した」と振り返る。平和への思いを強める中、2022年にはロシアがウクライナに侵攻。「何かしなければ」と感じ、被爆二世の語り部となったのは70代が間近に迫るころだった。

 ○…女性消防団や民生委員の活動にも参加している。「地域の方と同じ目標に取り組めるのが楽しい」と笑みを浮かべる。語り部の活動中、「核兵器はなくなると思うか」と、よく質問される。その問いを受けるたびに、「絶対になくすんだ」という思いを再認識する。「世界中で争っている時代だからこそ、平和を諦めてはいけない」。世界平和への信念を胸に、今日も地元で草の根活動に取り組む。

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