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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2025.12.26

令和7年度神奈川県優秀授業実践教員に選出された
牡丹(ぼたん) 健一さん
座間市入谷西在勤 39歳

「楽しい」の先へ導く

 ○…生徒に楽しみながら学んでもらうための工夫が評価され、県から優秀授業実践教員に選出された。「今年の夏、なぜ海老名で県内最高気温を記録したのか」。身近な問いを教科と関連付け、身振りを交えて提示する授業は活気に満ちている。「まずは教科を好きになってもらいたい。その先に、学びや成長がある」と信念を語る。

 ○…大阪府泉佐野市出身。運動が苦手で、「スポーツ万能な姉に何かで勝ちたい」と勉強に励んだ。子どもの頃に祖母と見た時代劇の影響で歴史が好きになり、茨城大学に進学し、日本史を専攻した。そこで学んだ体験を重視する姿勢は今の指導の根幹。授業では生徒と校外を歩くことも。「座学だけではなく、見て感じたものを大切にしてほしい」とほほ笑む。

 ○…大学院修了後、私立高校の非常勤講師として就職し、複数校での経験を経て、32歳の時に神奈川県の教員となった。初めての公立校。家庭の事情や経済的な困難を抱える生徒と向き合った。卒業が当たり前ではない環境の中で、教育観が一変。「試験で良い点を取らせることより、自立する力を身に付けさせてあげたい」と胸に刻んだ。生徒と目線を合わせ、向き合い続ける中で5年の月日が流れ、昨年、座間高校に赴任した。

 ○…顧問を務める合唱部では、自身も部員と一緒にステージで歌う。「生徒と一つのものを作り上げることが楽しい」と笑みを浮かべる。目標は、自分で考え、行動する生徒を育てること。現在担当している地理の授業でも、災害時の思考力を身につけさせることがテーマ。「自分で考えることは自分を守ることにつながる。人の意見ではなく、自分の意見で人生を決めてほしい」。生徒と真っ直ぐに向き合い、生き抜く力を教える。

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