新型コロナウイルスの影響で、アユの養殖販売にも深刻な影響が出ている。座間市新田宿の岩堀養魚場(峰尾謙一代表)では今年、8万匹のアユを養殖したが、外出自粛に伴う飲食店の営業縮小や地域イベントの中止のあおりを受け、8月末時点で3万匹以上が出荷できずに残っている。
岩堀養魚場は約90年前に現代表の峰尾謙一さん(69)の祖父が創業し、座間の地下水を利用した魚の養殖をしてきた。創業当時から養殖しているアユは、水質の良さから味が濃く、飲食店からも高い評価を得ている。
アユの養殖は、毎年1月に海で採れた幼魚を育て、5月から11月にかけて販売する。峰尾代表は「幼魚を仕入れたときにはコロナなんて想像がつかなかった。アユが足りなくなった昨年の反省を生かして多めに仕入れていたので非常に苦しい」と話す。
飲食店への卸量は半減し、夏のイベントでアユの塩焼きなどを販売する業者からの依頼もなくなった。昨年の台風19号の影響で相模川のアユ釣り場が縮小し、友釣り用のエサとしての需要も減るダブルパンチに見舞われている。
活魚の購入可能
残っている3万匹のアユを無駄にしないために、同場では一般販売を始めた。生きたアユは1匹250円、冷凍は1匹110円〜130円(いずれも税抜)。峰尾代表は「座間の水で育ったアユは体内が綺麗で味が濃い。環境で味が全く異なることが分かるはず」と自信を見せる。
残ったアユは釣りエサとしての需要がなくなる10月14日の終漁を待って冷凍するという。(問)峰尾さん【携帯電話】090・1035・1458。
ひまわりまつりでアユのつかみどり体験を行っていた座間市商工会青年部(木村大輔部長)は、9月6日(日)午前9時30分から新鮮市場なかや座間入谷店の特設会場で同場の鮎を使った甘露煮などを販売する。なくなり次第終了。同店の若林啓太専務は「多くの人に来て欲しい」と話した。
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